◆12月24日の青山くん。





 12月24日、火曜日。

 明け方。俺は全然寝付けなくて、親もまだ起きてこないような時間に目が覚めた。

 昨日、相川の家で、俺は彼女の小さい頃の写真を見て思わず可愛いって言っちゃって、なんか言い訳しようとしちゃって、それで。

 なんか、変な空気になってしまった。

 気まずい。俺、今日相川にどんな顔して会えばいいんだろう。明日はクリスマスだってのに。



「……はぁ」



 もし、あのまま相川の親が戻ってこなかったら。

 俺、もしかしたら告白しちゃってたかも。なんか、思わずポロッと出てきちゃいそうな雰囲気だった。それくらい、感情が昂っていた。

 お茶で呑みこまなかったら、帰りながら叫んでいたかもしれない。



「あああ……」



 何してんだよ、俺。

 バカか俺は。大事な日の前だってのに、こんな訳わかんなくさせてどうするんだよ。アホか。

 相川、昨日のことどう思ったかな。俺の気持ち、気付いたかな。明日、どうやって誘えばいいんだろう。声掛けても平気かな。避けられたりしないかな。

 ああ、もう本当に。俺のバカ、アホ、マヌケ!



「でも、あとは告白するだけか……」



 もう開き直るしかないよな。あとは告白して、終わりだ。


 相川に伝えたいことは、あとは好きだって気持ちだけ。



 それだけだ。





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