My SweetGirl ~想いよ、貴女に届け~

のがみさんちのはろさん

第1話

◇◆◇




 2月1日

 アザリー さんへ

 こんにちわぁ

 もうすぐバレンタインですね。アザリーさんは、誰かにあげる予定とかあるんですか?

 わたしは今年も友だちとクラスの男子に倍返しチョコを量産して配る予定です(笑)

 今年こそは本命チョコ作りたかったのになぁー仲の良い男友達は少なくないのに、なんでか恋に発展しないんですー

 わたし、男運ないのかなぁー



 ◆◇◆




 今は二月。どこもかしこもピンクピンク、チョコレートばっかりで埋め尽くされている時期。

 そんな中、私は浮いた話も特になく、とあるSNSサイトで軽い愚痴を零すばかり。今も仲良くしてくれてるユーザーさんにメッセージを書いている最中だ。



「梨里、何してんのよ。早く帰るよ」

「あ、うん。ちょっと待ってー」

「置いていきますよー」

「だから待ってって!!」



 友達に呼ばれ、急いで相手にメッセージを送る。送信されたのを確認し、スマホの画面をオフってカバンに仕舞いながら教室を出ていった。

 私の名前は立花梨里たちばなりり。SNSサイトではリリーと名乗ってる。私がそのサイトに入ったのは、もう半年くらい前になるかな。リアルで全くと言っていいくらいで出逢いがなくて、ヒマ潰しで始めた訳なんだけど。

 それで、いつだったかな。何ヶ月か前に声を掛けてきてくれたユーザーさんとなんか意気投合しちゃったんだ。その人がアザリーさん。こういうサイトは初めてみたいで、最初は私の方が色々と教えてあげてたんだけど、今では立場逆転。アザリーさんは私よりも年上の人で、よく私の悩みとか聞いてくれるんだ。良いお姉さんって感じ。

 私のくだらない悩みにも真剣に答えてくれて、優しい言葉をくれるの。さすが大人って感じ。こんな人が傍にいてくれたら幸せなんだろうなって思えちゃう。

 ていうか、こういうお姉ちゃん欲しかった。そしたら毎日甘えるのに。


 そう思いながら、さっきの返事がきてないかサイトを開いてみてると横にいる友達が呆れたように声を掛けてきた。



「梨里、最近携帯ばっかじゃん。彼氏?」

「違うよ。そうだったらチョー自慢してるし」

「だよねー。ま、私は自慢するけどね」

「え?」

「彼氏、出来ちゃったもんね」

「うっそ!? いつ? 誰!?」

「最近。大学生。メッチャカッコよくて頭も良いんだから」



 嘘。マジで?

 仲間だと思ってたのに、いつの間にそんな出逢いを!? 去年のクリスマス、女の友情を誓い合ったばかりじゃない。それなのに、何よその抜け駆け!?

 そんな話、全然しなかったじゃん。なに、大学生とか。どうやったら出会えちゃうの!?



「裏切り者ー!」

「あんたも早く彼氏くらい作りなさいよ」



 簡単に言わないでよ! そんな簡単にできちゃうものなら苦労してないもん!

 てゆうか、今まで彼氏なんて出来たこともないし。好きな人はいたことあるけど、告白して成功したこともないし。

 駅で友達を別れて速攻私は慌ててメールを送信した。相手はアザリーさん。実は、ちょっと前に本アド交換していたんです。基本的にはSNSサイトの方で連絡し合うけど、大事な話はこっち。

 緊急事態ですよ。私、どうしたらいいですか!?



『友里さーん! 友だちに彼氏が出来ちゃったー! どうしよう、私だけ一生彼氏出来ないで一人ぼっちだったらぁー(泣)』


 友里さんっていうのは、アザリーさんの名前。梨里と友里って似てますよねって、スゴくはしゃいだっけ。なんか姉妹みたいって。

 うう。大学生って言ってたし、直ぐには返事来ないかな。

 でも、今スゴく相談に乗ってほしい気分。電話とかできたらいいんだけど、友里さんはガラケーだからラインで電話できないんだよね。


 ああもう、助けて友里さん! 今の私には貴女しかいないんです!






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