第18話

 とりあえず、細かいスキル検証をするのはあとだ。

 今回手に入れた建築術がどれほどのものなのかはわからないが、これで衣食住が最低限揃えられることになった。


 あとは、今後スキルレベルがあがればさらに質も向上してくるだろう。

 ひとまず、スキルのレベル上げを行い、ステータスの確認をしようか。


 ミツベアーとの戦いもあり、前回ガチャを回したときよりもすべてのステータスが高くなっているな。

 おかげで、だんだんと銅色の基本ステータス強化系スキルの恩恵もあがってきたな。


 力112(+4)

 耐久力100(+3)

 器用91(+2)

 俊敏110(+3)

 魔力135(+4)


 魔力の伸びが著しい。

 魔力に関しては斬撃術、土魔法、火魔法、水魔法……と生活の基本としてたくさん使うからだろうな。


 耐久力も以前に比べてずいぶんと上がった。

 ……まあ、それだけミツベアーに苦戦したというわけでもある。

 ただ、ミツベアーとの戦いは決して悪いことではない。ミツベアーがいた地域よりさらに北へと踏み込めるようになったわけでもあるからな。


 ……どうやら、ミツベアーの本来の生息地はそちらのほうらしいしな。

 次にスキルを確認する。


 力強化 レベル4(あと3つでレベルアップ)

 魔力強化 レベル3(あと2つでレベルアップ)

 俊敏強化 レベル3

 器用強化 レベル3(あと2つでレベルアップ)

 耐久力強化 レベル3


 剣術 レベル3

 短剣術 レベル2

 槍術 レベル2

 採掘術 レベル1

 釣り術 レベル2

 開墾術 レベル2

 格闘術 レベル1

 鍛冶術 レベル1

 料理術 レベル2

 仕立て術 レベル1

 飼育術 レベル1

 地図化術 レベル1

 採取術 レベル1

 感知術 レベル1

 建築術 レベル1


 土魔法 レベル3

 火魔法 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 水魔法 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 風魔法 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 光魔法 レベル2

 付与魔法 レベル1

 

 鑑定 レベル3(MAX)

 栽培 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 薬師 レベル3(MAX)


 余りスキル

 薬師 レベル1

 

 虹色レアリティのスキルがこれで二つ最大まであがった。それは嬉しいことなのだが、さらにその下のスキルにため息をついてしまう。

 ……この余りスキルが問題だな。


 ……別のスキルのレベルアップに使えるわけでもないようだし、このスキルを今後どうすればいいのか、だな。

 ひとまず、スキルはこんなところか。


 レベルアップした光魔法を確認してみる。以前よりも明るい。

 これを用いれば、街灯のようなものも作れるようになるかもしれない。


 夜に狩りをするつもりは今のところはないが、いつか必要になってしまうこともあるかもしれない。

 俺が住みやすい森に造りかえていかないとだな。


 光魔法を消して、俺はいつもの寝床で横になる。

 明日からこことはお別れできるかもしれない。そう思うと、少しばかり寂しさは……特には感じなかった。



 〇



 次の日。

 晴天が俺を出迎えてくれた。

 この森に来てから、今のところ雨が降っていないのが救いだ。


 雨が降れば、あまり水はけのよくなさそうなこの森だと数日は狩りに苦戦していたかもしれない。

 庭に出て、畑の様子を確認して水やりを行う。

 

 畑は開墾術を使って耕すと何度でも土が利用できる。

 俺もそれほど農業に詳しくはないが、確か土というのは疲労してしまう。


 同じ場所で何度も食物を栽培すると、どんどん悪い土になり、出来の悪いものが出来てしまうと。


 実際、一度収穫した土を見てみると、栽培不可となってしまう。

 だが、開墾術で土を耕すと、再度栽培が可能になる。

 ……もしかしたら、糞尿などと一緒に耕しているのも少なからず影響しているかもしれない。

 とにかく、今日の畑を確認し、収穫できるようになっていたオレンジイの実をとる。


 ……ああ、甘い、うまいっ。

 オレンジイの実といえば、すっぱいのも楽しみの一つだったが、やはり甘ければそれだけうまい。


 ……早く野菜とかも栽培していきたいな。

 現状、葉物はチユチユ草のサラダでごまかしているからな。

 さて――今日のメインはこの畑弄りではない。


 俺がやりたかったことは建築術だ。

 建築術を発動すると、眼前にずらりと設計図が表示された。


 ……お、おお。

 作れるものはレベル1だから、それほど大きなものは無理なようだ。

 ……ただ、色々と作れるようだ。


 俺は家を作りたい。作れるとしたら、木こりの家のような本当に小さなものが限界のようだな。

 とりあえず、この家を作るためには……木材がそれなりに必要なようだ。


 ていうか、木材集めるだけでできるのか?

 ……家を作るには土台とか色々大事なものがあると思うのだが。

 今見た感じだと、まるでテントでもたてるかのような感じで作れてしまいそうだった。


 ……まあ、神様が用意してくれたスキルなのだ。うだうだ言っても仕方ない。

 神様を信じるしかないだろう。

 

 俺は早速木を集めることにした。

 ……たぶん、採取術は発動していないな。

 伐採術とかがあるんじゃないだろうか? 

 開墾術が多少影響しているように感じる。……ああ、木も開墾するうえだと邪魔な存在だからだろうか?


 そうやって周囲の木を切り崩し、集めていく。

 木も栽培に関係しているようだ。根を残した木を鑑定で調べると10日程度でそれなりのサイズまで成長できるのが分かった。


 ……木材が足りなくなるという心配はなさそうだな。

 木を必要なだけ用意した後、俺は建築術を発動する。

 建築術を発動すると、どの地点に家を建てるかを聞かれた。


 眼前におおよそのサイズが見えたので、畑や……一応今拠点にしている大木の根に邪魔にならないようにした。

 そうして、場所を指定した次の瞬間だった。

 

 どん、と木の小さな家が建った。

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