第11話


 次の日。

 5000ポイントたまるまで、魔物と戦った。

 その日の夜。

 俺は土魔法で木の入口を隠す。空気の通りみちをいくらか用意したあと、ガチャ画面を開いた。


 暗い中でもガチャ画面だけははっきりと見える。

 ……ファングカウとの戦闘は、牛牙剣になってからかなり楽になった。


 とはいえそれでも時間はかかる。

 ホブ・ゴブリンのほうが戦いやすいと言えば戦いやすかった。

 とにかく、一生懸命ためた5000ポイントだ。


 ……頼むから良いスキルが出てほしい。

 祈りながら俺が十一回ガチャに触れた。


 5000ポイントが一瞬でゼロになる。この瞬間は中々怖い。

 宝箱が虹色に光った。それから出現した玉は、銅色4つ、銀色3つ、金色2つ、虹色2つだった。


 宝箱が虹色に光ると、2つ確定なのだろうか?

 まずは銅色からだ。


 力強化 レベル1

 俊敏強化 レベル1

 器用強化 レベル1

 耐久力強化 レベル1


 ここに関しては何が出ても、正直言って大きく反応することはない。

 重要なのはここからだ。

 銀、金色のスキルで今後の生活が大きく変わってくるからな。

 銀色の三つの玉から、スキルが出現する。


 短剣術 レベル1

 仕立て術 レベル1

 飼育術 レベル1


 ……短剣術は被ったな。

 けど、まあ解体用ナイフで発動するのは分かっている。解体の際に、ナイフの扱いがうまくなるだろう。

 ……まあ、それなら解体術、みたいなスキルのほうが欲しい。あるのか分からないが。


 仕立て術はなんだろう? 仕立て屋というのがあるから、それに近い物なのだろうか?


 仕立て術

 服の作製に関わるスキル。また、布、皮、革などの製作も可能になる。

 

 なるほど。これがあれば、新しい服が作れるということか。

 魔物の皮などを使い、毛皮の服なども作れるかもしれない。

 ……今の服もさすがにボロボロになってきてしまったからな。新しい服が欲しいと思っていたので、悪くない。


 何より、冬に備えて暖かい衣服なども用意できる。

 うん、持っておいて損はないな。


 次は飼育術か。……生き物を育てるスキルだよな?


 飼育術

 生物などを育てた場合、より強く、より質の良い物が出来上がる。


 ……といっても、育てられる生き物がいないからな。

 さすがに果物などには反映されないだろう。植物だって生きているんです! と言ってもな。

 やはり銀色のスキルは良い物が多いな。

 次の金色へと移る。


 風魔法 レベル1

 土魔法 レベル1

 

 おっ、これで土魔法がレベル3にあがるな。さらに、壁を作るのが楽になるだろう。

 今後は戦闘でも使えるかもしれない。

 風魔法もレベル2になれば、擦り傷くらいは与えられるだろう。服を乾かす以外の使い道も見つかるかもしれない。


 最後は虹色の玉だ。

 僅かに期待しているのは、ピックアップ以外のスキルで良い物があるかもしれないということだ。


 鑑定 レベル1

 薬師 レベル1

 

 しかし、結果はやはりピックアップのスキルだ。

 ……やはり、虹色はこの三種類のどれかが出るということで確定のようだ。

 ひとまずは、こんなところか。


 スキルのレベル上げを行い、ステータスを確認する。


 力62(+1)

 耐久力51(+1)

 器用51(+1)

 俊敏60(+1)

 魔力63(+1)


 すべてのステータスが50を超え、ようやく60にも到達してきたな。

 ステータスによって、伸びが違うのはそれだけ酷使したかどうかなんだろう。

 魔力は鍛冶、薬師、魔法と色々な場面で使用している。そのため、一番成長率が良かった。


 耐久力に関しては今後もあまり上がらない気がするな……。わざわざ敵の攻撃をくらいたくはないしな。


 力強化 レベル3(あと1つでレベルアップ)

 魔力強化 レベル2

 俊敏強化 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 器用強化 レベル2

 耐久力強化 レベル2


 剣術 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 短剣術 レベル2

 採掘術 レベル1

 釣り術 レベル1

 開墾術 レベル1

 格闘術 レベル1

 鍛冶術 レベル1

 料理術 レベル1

 仕立て術 レベル1

 飼育術 レベル1


 土魔法 レベル3

 火魔法 レベル2

 水魔法 レベル2

 風魔法 レベル2


 鑑定 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 栽培 レベル1

 薬師 レベル2


 スキルに関してもとりあえず確実に増えている。

 ……あとは、新しい魔物を見つけ、あともう二十二回ほどガチャを引きたいところだ。


 明日は仕立て術を試してみようか。

 飼育術も使ってみたいのだが、使う場面がないからな。

 明日の計画をたてながら、俺は横になって目を閉じた。



 〇



 朝、土魔法で土を動かし、外の様子を確認する。

 ……畑に植えた薬草や木の実が順調に育っている。

 成長が早かったモモンの実を一つ掴んで食べる。


 ……ああ、うまい。喉の渇きまでも潤すほどにみずみずしい。

 チユチユ草は2日もあれば十分に生えてくる。

 ポーションを1つ作ってから、水筒に入れる。


 ……さて、次は服だな。

 鑑定をしてみると、草や花から服が作れるようだった。

 花は……量が足りないようだ。とりあえずは草だな。


 草を集めてから、仕立て術を発動すると……一枚のシャツが出来上がった。

 これは麻に素材が似ているだろうか? 肌さわりは思ったよりも良い。


 俺が着ている服は貴族のものだから、質はかなり良い方だがそれに負けず劣らずといったところだ。

 

 新しい服に着替えてみる……うん、悪くない。というか、サイズも俺にぴったりだな。

 それまで着ていた服は水で洗う。……石鹸が欲しいな。それらもスキルとかで作れるのだろうか?


 ……と、料理術を見ていると……石鹸があった。

 なぜに料理術に? 最初はそう思ったが、そういえばコックが話していた。

 料理をするときに使った油を使って、石鹸が作れると。


 だから、料理術に関係しているのだろうか。

 油と灰さえ用意できれば作れるようだ。

 油は……モモンの実、オレンジイの実からも回収できるようだ。灰も同じようにすぐに用意できた。


 さっそくその二つを組み合わせる。と固形の石鹸が出来上がった。

 ……おお、いい香りだ。今回はモモンの実から油を作ったのだが、まさかモモンの実の香りになるとは。

 本来の石鹸の作り方はもう少し難しかったと思うんだが。スキルっていうのは便利だな。


 とりあえず、以前着ていた上着を石鹸と水魔法を合わせて洗っていく。

 手で洗うのが大変だったので、風魔法も合わせ、ごしごしと洗っていく。


 その後、服を干すための竿を作り、木と木の間にかける。

 服をそこにかける。

 よし、これで準備完了だ。

 今日も一日、頑張るぞ。


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