第9話


 ……スキルの検証については、明日からやろう。

 まずはかぶったスキルのレベルアップを行い、それからステータスを確認する。


 力51(+1)

 耐久力41(+1)

 器用44(+1)

 俊敏48(+1)

 魔力50(+1)


 基本ステータスはずいぶんと上がった。

 ……ただ、ガチャの銅色はやっぱりはずれだな。レベルアップしても、上昇は変わっていない。

 最近では、魔物相手に苦戦することはない。……まあ、新しい魔物を探すのと、食事のためくらいでしか倒していなかったが。


 基本ステータスはこんなところだろうか。

 次に俺はスキルを確認した。


 力強化 レベル3(あと2つでレベルアップ)

 魔力強化 レベル2

 俊敏強化 レベル2

 器用強化 レベル1

 耐久力強化 レベル1


 剣術 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 短剣術 レベル1

 採掘術 レベル1

 釣り術 レベル1

 開墾術 レベル1

 格闘術 レベル1

 鍛冶術 レベル1

 料理術 レベル1


 土魔法 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 火魔法 レベル2

 水魔法 レベル2

 風魔法 レベル1


 鑑定 レベル2

 栽培 レベル1

 薬師 レベル1


 ……だいぶ、集まってきたな。

 基本ステータスを強化する銅色のスキルは、これで全部そろっただろうか?


 銀色のスキルは正直どれだけの種類があるかわからない。

 ……魔法スキルは、どうなのだろうか?

 この四属性のスキルは基本スキルだったはずだ。


 だから、これ以上ないと言われればそれまでだ。

 ただ、魔法自体はほかにもたくさんある。付与魔法だったり、召喚魔法だったりだ。


 ガチャに入っているのかどうか……そこ次第だな。


 次に虹色スキルも……案外すぐに集まったな。

 おそらく十一回ガチャで一つ確定で出るからだ。

 ただ、今後はこのスキルたちのレベルをあげていく必要がある。


 薬師をざっと見たが、どうやらレベル1でもポーション類はすべて作れるようだ。

 ……ただ、レベルが上がればより質のよいポーションが作れるはずだ。


 ここでの生活を考えるなら、薬師のスキルはなんとしてもある程度のレベルまであげたい。


 ……ここまでスキルが揃ってきたのだ。そろそろ新しい拠点を探して移動してもいい頃だな。


 正直言って、この周囲はもう探しつくしたと思っている。

 よし、決めた。

 明日は新しい食材、魔物を求めて移動する。


 移動しながら、獲得したスキルを試していこう。

 特にポーションに関しては、今後必ず必要になる。

 これまでも薬草は何度か見ていたが、決してあちこちに、無尽蔵に生えている様子はなかった。


 だから、今後のことも考えれば栽培もしなければならない。

 ……ポーションか。

 ポーションを作るには、入れ物も必要だろう。


 ……さすがにガラス瓶はないからな。

 そこも、今後の課題、か。

 鍛冶術を見たところ、生活に必要なものも作れるようだった。


 木材を手に入れれば、それで皿などの食器類も作れる。

 ひとまずは、それを用いてポーションを製作していくしかないだろう。

 色々考えていたら眠くなってきた。

 いつものように土を掘り返し、そこにトイレをしてから、俺は眠りについた。



 〇



 朝。木の実を食べてから、俺は拠点を出発した。

 ひとまず、木の実を一つ脇に抱えながら移動する。


 新しい拠点でも栽培できるように、種は洗ってポケットにしまっておいた。合計3つもあれば十分に増やすことが可能だろう。


 この保存方法で大丈夫なのか気になったが、鑑定と栽培が問題ないと答えてくれる。

 これまで行ったことのない場所を進んでいく。


 以前見つけた新しい木の実があるほうへと向かう。

 鑑定を使い、その木の実を調べる。


 オレンジイの実


 柑橘系の果物だ。人の頭ほどあるその木の実を一つつかみ、皮を剥く。

 口に運ぶと、甘みが口一杯に広がる。

 僅かにすっぱいものもあり、それがまたおいしい。


 ……種があったので、一つ確保して同じようにポケットにしまった

 この辺りは、浅い部分までは探索していた。

 ただ、どうしても拠点から遠くなるため、調査に関しては後回しにしてしまっていた。


 ……ただ、今日は新しい拠点を探すという気持ちでここに来た。

 どこまででも進んでやろう。

 ……川からも離れてしまったが、水魔法で水分は確保できる。

 近くの倒れていた木に触れながら鍛冶を発動し、木の水筒のようなものを作製する。


 ある程度、イメージに頼った結果だったがうまくできた。

 そこに水を入れておけば、いつでも飲める。最終的にはポーションを入れるつもりだ。


 試しに水を入れ、口へと運ぶ。ああ、うまい。

 水魔法のおかげか、きんきんに冷えた水が喉を潤してくれる。

 木の臭いとかがうつってしまうのではと思ったが、そんなこともない。

 

 鍛冶術のおかげだろうか?


 途中薬草を発見する。

 ……チユチユ草というようだ。

 栽培は、根の部分を地面に植えればできるようだ。なので、ひとまず一つ分を確保してポケットにしまう。これも、新たな拠点で栽培するためだ。

 

 それと、ポーションを確保するため、製作を行う。

 チユチユ草と魔力水があれば作れるようだ。魔力水は、魔力を含んだ水のことなので、水魔法で可能となる。

 二つを用意し、早速ポーションを製作する。


 できた。

 水筒にポーションが入った。俺はそれを試しに少し飲んでみた。

 え!? 体の疲労が抜けるような感覚。


 そして、おいしい。

 俺が昔飲んだことのあるポーションはもっと変な味がしたのだが、これは違う。

 

 薬師……かなり良いスキルのようだ。

 これがあれば、今後の戦闘では死なない限りなんとかなりそうだ。


 そうしてしばらく進んでいったときだった。

 ……新たな魔物を発見した。

 

 鑑定の結果、ホブ・ゴブリンと表示される。

 ……ゴブリン種ではあるようだが、ゴブリンの上位種のようだ。

 倒して、ポイントが入るだろうか? そこが少し心配だったが、やるしかない。


 ポイントのためなんだからな。


 

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