第17話 何が目的なの

「瑠香ちゃん、来てくれてありがとね~」


「う、うん。……今日は何をするの?」


「っと、飾りつけの準備でしょ、当日のご飯の予定を立てることとか」


 私はりんの家に上がり、そこが静かであることに驚く。


 誰もいないような。


「り、ん。なんで誰もいないの? お父さんは? お母さんは?」


「あー、海外に行ってる。今は私一人なんだ」


「そうなんだ」


 考えてはいけないけれど、どうしても考えてしまうことが、一つある。


 伊月はこの家に来たことあるの?


 二人きりでこの家にいたりしているの……?


 がちゃん、とドアの音がいやに大きく響き渡る。


 へへ、とりんが、りんじゃないような笑みを浮かべて。


「ていうのは口実で。二人きりでたぁーっくさんお話したいなぁって思って。幼馴染の恋バナ。付き合ってくれる?」


 怖くて怖くて震えが私を襲う。


 慌てて逃げようとすると、ドン! と大きな音が鳴る。


 りんが私の行く手を阻んだ。


「いいでしょ? 別に話くらい聞いたって。瑠香ちゃんは隼人くんと付き合っているんでしょ? ——それとも、」


 呼吸の音が、聞こえた。


「伊月のことが好きなのかな?」







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