2月2日

今日から1週間前の話。


僕はある行動に出た。

それは、僕の人生を左右した人間と会うことだ。

そんな人間ヤツらに会う事なんて、普通は嫌がることなのだが、親交を深めようと思ってね。ただの気紛れと捉えてくれ。


まず一人目に、僕を虐めていた首謀者だ。

体格はがっしりした、ごつい顔つき、一言で言えば筋肉馬鹿。

暴力で何でも解決できると思い込んでいる、単細胞。


あの地獄から5年。

全てが変貌してた。


耳には大量のピアスなど無く、筋肉もやや落ちて、身体はシャープな曲線を描いていた。

しかめっ面だった表情は、皮下脂肪が付いて爽やかな物に変化していた。


彼は既に結婚していて、男の子を一人、身籠っていた。


相手はとても綺麗な女性で、僕の彼女とは比べ物にならないくらいだった。



こんな幸せな家庭を、今にも歪ませたかった。





夜。


僕はあいつあいつの嫁と、乾杯した。


僕等はこんな会話を交わした。


「ねぇ、拓哉タクヤさん。彼とはどんな関係だったの?」


「ん?まア、友達に近い関係だな」


話はそれっきり。


彼は酔いが回ったのか、身の上話をしながら、うとうとしていた。

僕はベッドに誘導し、寝かしつけた。


そのまま僕は、御暇おいとませず、持ってきた鞄の中から、太いロープと何本もある刃物を取り出した。


そのあとは、君にも想像できるだろう?

…できないのか。それは残念だ。

しかし、減る物ではないから、話そう。


まず、彼の両脚をロープできつく縛る。

この時、手袋をはめるのを忘れない。

そして、熟睡した奴の掌に、一本ずつナイフを刺す。

もちろん、強烈な睡眠薬を飲ませたから、この程度の痛みで起きることは無いだろう。

ベッドに深く突き刺し、シーツに血が滲む。


あいつの顔が歪む。


でもまだまだこれから。


もう一本の、今度は細いロープを首に掛ける。


そして、きつく交差クロスさせ、首に喰い込ませる。


いつの間にか息が荒い。

僕は力を緩ませ、その場に座り込んだ。

緊張の糸が途切れたのか、表情筋が綻び、愉悦の表情となった。




かくして、僕は別れを告げ、立ち去った。

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