俺たちのバンドスコア

本好きぼっち

第1話 4月10日

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《家》


「生きる」とはなんだろう。そんなことを考えてしまうのは中学校時代に同級生の会話もせず、図書室に籠り続けて変に難しい本ばかり読んでいたせいだろう。いや、いいじゃん別に。人と話すの得意じゃないんだよ。俺。


「ジィリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ」


 何の音だと思った?………はい。残念。目覚ましでした。

 いやー、うるさいね。目覚ましはアナログ時計に限る、うん。

 そういや自己紹介してなかったね。あ、いま「このタイミングで!?」って思ったでしょ?いーんです。何だって作者は初心者なんですから。そこ配慮してあげて。

 気を取り直して、俺の名前は『河村 未来みらい』15歳。クラスの隅っこ系男子。身長168cm、体重53kg、好きな飲み物はコーヒー。しかもブラック。別にカッコつけてる訳ではなk─


「おい!未来!起きろよ、朝だぞ!」


 おぃ、自己紹介の途中だぞ。ちったぁ空気読め。

 今俺のことを起こしにきた人、実は父親でも兄でも弟でもなく、妹なんですよ。もう一回言います。妹なんですよ。『河村 栞子かこ』て言うんですけどね。ちょっと当て字だよね。でも、名前とは裏腹にこれが可愛くないヤツでね、口調からして男っぽいし。


「起きてるよ、布団から一生でないだけ。」


 些細な反抗、俺はこれから布団と結婚し、布団と旅行に行き、布団と共に死んでいくのだ。ははは。


「うわ、面白んな。だから友達の1人もできないんだよ。」


 おい妹。いま貴様は俺の逆鱗に触れた。今すぐ布団からでてお前に引導を渡してやる。


「おら、早く制服に着替ろ。」


 はい、無理でーす。怖いでーす。逆らえるわけないよね。なにされるかわからんし、はいはい、着替えます。というか着替えたいんで部屋から出ていって欲しいんだけど、


「あの、栞子ちゃん?着替えたいんだけど部屋から出てくれたりは…?」


「はぁ?お前二度寝するきだろ、出ねーよ。つかちゃん付けやめろ、キモい」


 はいでた、信用ゼロ。俺の心が泣いてる。兄貴に向かってお前はないだろお前は。まぁ、当然文句言える訳もなく黙って従うんですけどね。

 そうそう、言い忘れてたけど俺、今日から高校生なんですよ。あんまり頭も良くないから2つ市を跨いだ先にある『桜田高校さくらだこうこう』って所に通うんですけどね。まぁこの学校の女子の制服が可愛いこと可愛いこと。制服目当てで選んだみたいのもんですよ。しかし、中学校時代のことから考えて女子と話す機会なんてあるはずがないことはわかっている、だから隅っこからずっと和気あいあいと話す女子を見つめ続けてやるのだぁ、ぐはははは。


「なにニヤニヤしてんの?早く着替えろっつてんの!朝飯抜きにすんぞ?」


「サーセン。イマスグキガエマス。」


 いきなり話しかけないで欲しいよね。恐縮して喋り方変になっちゃうから。というか、家から出る前に1話目終わっちゃうんだけど、お前のせいだぞ!栞~子ちゃん♪ あ、めちゃくちゃ睨まれた。勘良すぎ(笑)


 こんな感じで高校生活始まるの?なんかもうしんどいんだけど、休むか。入学式休むか。あ、目の前に鬼がいることを忘れていた。待って、拳握らないで。おっと、拳を振りかぶって~?、俺の顔に~?、右カウンター☆♪

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