オモチもみゅ?
HiroSAMA
プロローグ
気づくと至高のおっぱいを創りあげていた。
それは夢でも幻でもない紛れもない確かな現実。
薄肌色の泰山が質素な机に並んでいる。
推定Gカップ。
その魔性が描く曲線と圧倒的質量は胸を熱くたぎらせた。
先走った肉体の一部が机を下からつきあげる。
すると魅惑の果実はCMのプリンよりもなめらかに揺れ動いた。
――尊い、これは尊すぎる……。
その挙動のあまりの出来映えに涙があふれでそうだった。
――あとは感触を確認するだけ。
それが偽物じゃ意味がない。
ただし検証には正しい情報が必要になる。
――蘇れ我が古の記憶……。
そうあれは小学生の頃、移動教室で東北に行った時のことだった。
そこで行った牛の乳しぼりの感触は…………って、ちゃうっ!
それちゃうから!
もっとゴッツエエ記憶があったハズやっ!
鼻から大きく息を吸って肺にためる。
そしてたっぷり五秒数えてからゆっくり吐き出す。
それを繰り返すと俺はすっかりクールさを取り戻していた。
あれはまだ性に目覚める前、おっぱいの価値を知らぬ幼子だった頃の記憶。
泣き虫だった俺はその日も些細なことで泣いていた。
そんな俺をあやすように抱きあげてくれた保育士のお姉さん。彼女の愛情に抱き寄せられるとそれまで怖かったものが薄れ、安らぎを覚えるようになっていた。
既に彼女がどんな顔だったか覚えてない。名前もだ。
だがすべてを忘れた訳じゃない。
あの日、この手と顔が感じた温もりだけは海馬にしっかり刻まれている!
果たして俺の
――そうであって欲しい。
願いはするが不安は払拭できない。
それでも勇気を振り絞り結論へと手を伸ばす。
目的地まであと数ミリ……というところでガチャリと音がした。
背後で軋む扉を振り返ると、そこには翡翠を溶かし込んだような髪をした小さな魔女が立っていた。
魔女はソレに手を伸ばした俺を見上げ、無垢な碧眼で問いかける。
「なに、してるの?」と。
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