学園警察

PTJ

第1話 私立花山学園

私立花山学園には創立以来、悩みや問題を抱えた生徒に助けの手を差し伸べる組織があると言われている。その名も『学園警察』。

学校や生徒会には秘密裏に活動し、生徒達を救ってきた事からそう呼ばれている。

しかし、誰が、いつ、どこで活動しているのかは誰も知らない。

そのためら、いつしかこの話は都市伝説として花山学園で語り継がれてきたのである。





僕の名前は阿佐木祐一あさぎゆういち。今日からこの花山学園に通う高校1年生だ。

この、花山学園は、偏差値県内最高で有名大学への進学率は国内でもトップクラス。なおかつ部活動においてもほとんどの部で全国大会常連、まさに、文武両道のとれた名門高である。


「おはようございます。あなたのお名前をお聞かせください」

校門の前で立っていた係りの人に尋ねられた。

「阿佐木祐一です」


「阿佐木祐一さんですね。では校門を通って左側へお進みください」


そう言われ僕は校門を通るとそこには巨大な庭を中心に左右に道が分かれていた。


「左と」

僕は係の人に言われたとおりに左の道へ進んだ。


この花山学園には2つの校舎がある。これこそがこの学校が名門校である1番の理由と言っていいだろう。

この学校には一般校舎と特別校舎の2つに分けられている。


特別校舎には頭脳や、運動能力の優れた者、政治家などの家に生まれた人達が通う校舎、いわばこの学園の表の顔である。


そして一般校舎。こっちは普通の家庭に生まれた者が、学費を払う代わりに花山学園を卒業するという名誉を手にするための生徒が通う校舎である。いわば裏の花山学園である。


そして僕はもちろん一般校舎である。

大して学力のない僕にとって花山学園卒業という学歴は見過ごせない物だった。



「あれ?祐一?」

そういわれ僕が振り返ると一人の男子生徒が立っていた


「やっぱり祐一じゃん、お前もこの学校受けていたんだな」


「やぁ、久しぶりだね功太」

彼は坂上功太さかがみこうた同じ中学に通っていた僕の友達だ


「功太も一般?」


「あたりまえだろ。俺なんかがあんな優秀な奴らのところに受かるわけないだろ」


「ま、そうだよね」


「それはちょっとひどくないか?」


僕らはそんな会話をしながら一般校舎へ向かった



「僕のクラスは…4組だ。功太は…功太も4組じゃん!」


「本当だ、祐一、これからもよろしくな」

そう言って教室へ向かった。




僕たちが教室についてほんの数分後に最初のホームルームが行われた。



今日は初日だから自己紹介と明日からの予定表が配られてホームルームは終了した。


「祐一この後予定ある?」


「特にはないけど、どうかしたの?」


「なら、今から部活見学に行くんだけど一緒に行かないか?」


「部活か…」


「せっかくなんだし暇なら行こうぜ」


そう言って僕は半ば強引に同行することになった


「やっぱり功太はサッカー部に入るの?」


「まぁ今のところはそのつもりだね」




「おぉ、やってるやってる」


「どう?印象は」


「一般校舎の部活も捨てたもんじゃなさそうだな」


「とりあえず俺はもう少しここで見ていくよ」


「分かった、じゃ僕は他の部活でも見に行くよ」


そういうものの特に興味のある部活もなく僕は校舎内をうろついていた


そこで僕は一人の真っ黒の服で身を包みフードを深く被った人物を見かけた

「何かの部活の人かな」

そう思い興味がわいた僕はその人の後をついていった


彼は一般校舎3階にある教室へ入っていった。

僕はその教室のドアの前で考えた

「ここまでついて来たからには引きたくはないけど、入れるような理由も見つからない。正直に後をつけたなんて言えないしな…」


「ドォーン!」

ものすごい勢いで教室のドアが開いた


教室からはさっきの黒い服の人が出てきた。


おどろきのあまり僕は腰を抜かしそこへ座り込んでしまった。


一体この人はだれで、ここは何の場所なんだろうという疑問で僕の頭の中は埋まっていた。


「とりあえず中に入れ」

そう言われた僕はゆっくりと立ち上がり教室へ入った。




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