第3章 学園の異端児 編

第110話 忌避の視線

 ──今日もいつものように講義が始まる。


 流石名門と言ったところか、ザワザワと少し騒がしかったのにもかかわらず、この時間になれば皆一様に真剣な面持ちで講師の話を聞いている。


 けれど、それも講義の間だけ。

 ひとたび休憩時間となれば、四方から忌避の視線が向けられる。


 ……まぁ、それも仕方がないか。


 彼らにとって、俺という存在は異物でしかないのだから。


 ──変わり映えのない日常。


 周囲から嫌な視線を向けられること、ガキかと愚痴を溢したくなるほどしょうもない嫌がらせを受けること……それらを含め、ここランターナ学園初等部に入学したあの日から何ら変わることのない俺の日常だ。


 普通なら居心地悪く思うそれも、しかし俺は最早なんとも思わなかった。


 ──俺にはかけがえのない居場所があるから、そして……果たさなくてはならない大きな目的があるから。


 だから今日も俺はここで講義を受ける。


 いつか来るその時を、俺の家族を、一族を殺したアルバ大盗賊団に復讐をするそのひと時を夢見て。


3章 学園の異端児 編


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