宇宙人襲来
「臨時ニュースをお伝えします。未確認飛行物体が世界各地に同時に現れ、攻撃を始めました。各国の首脳はこのことを受けて、臨時の世界会議を開くことになりましたが、各国の都合もあり、日程の調整は困難を極めております」
「いやいや、大変なことになりましたね。今日は〇〇大学の坂本教授にスタジオにいらしてもらっています。坂本教授、この状況をどうお考えですか」「えー、そうですね。大変由々しき事態だと思います。今現在、この東京にも攻撃が行われているのでありまして、事態は一刻一刻悪くなっているのです。この段階においても、世界が足並みを揃えられないということは、リーダーシップの欠如だとしか言えないのでないでしょうか」
「そうですね。大体このような事態をなぜ想定していなかったのか。はなはだ疑問ですが」
「そうです。宇宙人が襲来してくる可能性は常にあったのですから、悠長にしている場合ではなかったのです。ただ、予算をつけようにもどのくらいの規模で襲来されるかがなかなか予測ができないものですから、各国とも二の足を踏んでいたわけです」
「なるほど、なるほど、よくわかりました。ありがとうございました。では、次はスポーツニュースです。さーて、ついに大記録の達成です。CMの後で、しっかりとお伝えします」
液晶のモニターでは、ビールのCMが始まった。
うねうねとした触手を使って、リモコンのボタンを押すと、画面はプツンと音を立てて暗くなった。
ああ、スポーツの方が大事なんだろね。なんかやる気失せちゃうわ。地球征服しようと思ったけど、テンション下がっちゃった。
宇宙人は、故郷の星に戻ることにした。
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