本当にSNS炎上は祭りと言えるのか?

アーカーシャチャンネル

本編

 彼はパソコン上でネット検索をしていた。理由は小説を書くアイディアを探しているのだが――発見できないでいる。

「祭りか――リアルの祭りは参考にならないし、SNS上の祭りは――」

 パソコンの画面に表示されているのは、いわゆるまとめサイトのニュースだった。

その内容は様々だが、SNS炎上は喜ぶような話題ではない。人を傷つけ、場合によっては無差別テロと断言出来る案件だ。

それを『祭り』と称して盛り上がるような連中を、彼は許せないでいる。人の不幸を金にして飯を食べるような――。

それこそ、近年になって問題となっている買占めからの転売コンボ、フェイクニュースの拡散で経済を混乱させる――挙げだしたらきりがない。

「SNS上の炎上に正義は存在しない。炎上を祭りと称して支持するような連中は――悪その物だ」

炎上させた人物だけがストレスを発散し、他の人物は怒りや悲しみ、もしくは憎しみを抱き――更なる炎上を起こす。

こうしたエンドレスが続けば、日本経済は間違いなく崩壊するだろう。SNS炎上をきっかけにした炎上バブルや炎上商法は犯罪に等しいからだ。

「これらは祭りではない。災害だ――」

 彼は何としても立ち上がらなければならない。このニュースを見て、自分がやらないといけないと考える。

SNS炎上と言う名のネガティブ要素を全て排除できるような祭りを生み出す為に――自分が祭りを考えるのだ。

「何としても、このSNS炎上と言う名の災害を。日本を本当の意味で平和にするには、これしかない」

 しかし、SNS炎上の発生メカニズムは不明な個所が多い。それをどうするか――。

課題が多いこの一件を解決させる手段を考えていた彼の目にとまった物、それはWEB小説サイトだった。



 そして、彼は小説を書き始めた。パソコンのタイピングスピードは、音速を超える――訳ではないが、かなりの速さだろう。

小説の内容に矛盾がある可能性やニアミスと言ったような物も、瞬時に修正していき形にしていく。

完成した小説は、短編と言える文字数も少ない物だった。本当に、それでいいのか?

彼にとっては長編にしてメッセージを伝えるよりも、おそらくは短編の方が要点を纏められるのかもしれない。

何としても、一連のSNS炎上と言う名の悪しき習慣を根絶する為の最高の祭り――『SNS炎上止めようキャンペーン』を開始するのだった。



 キャンペーンが上手く行ったのかは定かではないのに加え、この祭りが本当に成功するのかは――まだ分からないだろう。

SNS炎上と言う闇ばかりがピックアップされ、やがてはSNS炎上で日本は終わってしまうかもしれない。

それを何としても阻止する為に、彼は様々なユーザーによる一次創作としての『SNS炎上止めようキャンペーン』への参加を求める。

「これが自分にとっての最良の手段なのか――」

 つぶやきサイト等のアカウントを持っていない彼にとっては、小説サイトで公開してメッセージを広めようと言う目的もあるのだろう。

このメッセージが本当に届くのか、この話がフィクションなのか――現実なのか。全ては読者にゆだねられる。

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