「YESだ！YES!」

この際どんなスキルでもいい！ゴブリンを少しでも減らしたい。

すると俺は無意識に片手を丸め口の所に持ってくる。

そして、

「ゴブリンびびってる！ヘイヘイヘイ！」

と気がつくと俺は大声でゴブリン達に向かってヤジを飛ばしていた。これは俺の意思で行っていないぞ。

「は？」

ミリア、ハル、ナユタは、俺のヤジを聞いて驚いている。それはそうだろう。なにしろ、声を出した俺が一番驚いているのだから。

しかし、さらに驚く事は続く。

俺がヤジを飛ばした方向のゴブリンの動きが止まり、さらに震えだした。

「これは…ゴブリンが恐慌状態になっています！何をしたんですか、ショウ！」

ナユタは信じられないといった表情だ。

もしやこれが新しいスキルか？

それにしてもあのヤジは、一体どこから？

あ…先週の草野球の時に相手チームにいた中年オヤジが、ヤジを飛ばしていたな。

「ピッチャーびびってる！ヘイヘイヘイ！」

チームメイトから注意されてやめてたけど。

それがこのスキルの元か。

しかし、ヤジを飛ばし恐慌状態を作り出すとは、不思議なスキルだ。

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