第44話 ゴブリン発見

馬車から降りて廃村に向かう。

さすがに、モンスターがいる場所の近くにいるだけあり、みんな緊張して寡黙になる。


突然、俺の腕時計が振動する。

長針、短針が13時の方向を示した後、ゴブリンのホログラムがあらわれる。


「13時の方向にゴブリンがいます!」

俺は討伐隊メンバーに注意を促す。


「転移者のスキルか。便利だな。よしみんな!13時方向に進むぞ。ゴブリンへの警戒を怠るなよ!」

リーダーであるリックが指示を出し、討伐隊メンバーは慎重に前進する。


さらに前進すると、ゴブリンを肉眼で認識できた。

数は2匹だ。ゴブリンも俺達に気づいたようでアタフタしている。


「へっ!二匹なら俺一人でも充分だぜ!」

そういうとシーフのライツは、ゴブリンに向かって走り出す。


「ライツ待て!一人で突出するな!」


しかし、ライツはリックの制止にも聞き耳を持たず一直線にゴブリンに向かってゆく。


「仕方ない。俺達も行くぞ!」

リックの指示の元、早足で俺達はライツの後を追う。


その時、腕時計が再び振動し、長針と短針が9時から15時の間を、車のワイパーのように動いている。


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