第18話 門番との会話

町の門を見ると、町に入るための列が出来ている。

門番は4人いて2人1組でチェックを行なっている。


列が進み俺の順番になった。

2人のうち若い門番が俺にはなしかけてくる。


「お前はかなり不思議な身なりをしているが、タリムの町に何のようだ?」


ほう。この町はタリムというのか。


「はい。私は女神ミウラにお仕えするもので、このような身なりをしておりますが、このタリムの町には冒険者として生活をするために参りました。」


ここで嘘をついても仕方がないので、目的をそのまま話す。


「女神ミウラ?ヤークさん知ってますか?」


若い門番は、ヤークという年長の門番にはなしかける。


「いや。知らんな。この国は多くの宗教があり、多くの神様がいるからな、とても覚えられんよ。」


若い門番にそうこたえた後、ヤークは俺を見る。


「君はそのような身なりをしているという事は、どこかの村から出てきたばかりなのか?」


あ、異世界からの転移者だと言ってもいいのか?

あのオバちゃん、肝心なこと教えてくれてないじゃん。

でも、この格好では長期間ごまかしきれないし、

この国は寛容な国と言っていたから、きっと大丈夫だろう。


「いえ、私はこの世界とは違う世界から、女神ミウラに召喚されて来た者です。この町に来たのは、召喚された場所から一番近い町だったからです。」


「おお。君は異世界からの転移者か。それならば、その不思議な格好も納得がゆく。いきなり知らない世界に召喚されて君も大変だったろう。」


ヤークは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに表情が変わり、同情した顔で俺を見る。


うん?あまり驚いていないが、転移者というのはこの世界ではあまり珍しくないのか?

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