勇者パーティーの日常(笑)

ひまち

第1話 勇者パーティーの日常開始

 この世界には五つの国がある。精霊達の住む北の国『コンフューズ』、魔族の住む東の国『ファシネイト』、獣人の住む西の国『ラフ』、魔物の住む南の国『テラー』、そしてその中心にある人間達の住む大国『グラン』だ。


 そのグランでは今、王の命令により勇者達(勇者、魔法使い、剣士、武闘家)が集められていた。


 あ、言い忘れていたけどこのナレーションはこの世界の神でお送りしてます。


 静かな時間が少し流れたあと、王が口を開いた。

「さて、親からもう聞いておると思うが、君たちには明日からひとつ屋根の下で一緒に暮らしてもらいたい。」

「「「はい」」」

「・・・はい」

 皆が揃って返事する中、勇者くんだけは少し遅れて返事をした。まあそうだよね、勇者くんだけ昨日の夜にこのこと知ったもんね。なんなら自分が勇者だってこともその時知ったよね。

「というわけでこれから君たちが暮らす家に案内しよう」

 なんとこんな状況なのに話を進めやがったこの王。しかも全員親から話きいてるからってこのことについての説明がほとんどないし。


 じゃあこれを見ている皆には勇者パーティーが移動してるあいだに僕が説明しよう。

 勇者達が一緒に暮らす理由は親睦を深める為、そしてお互いに腕を磨き合う為だね。今この世界はかなり平和だけど、たまにラフとテラーが戦争をおっ始めることがあるんだ。その時はかなりの確率でグランも巻きこまれるから、そんな時に勇者パーティーの力が必要ってわけだよ。


「ここが私たちの暮らす家ですかー」

 魔法使いちゃんが目をキラキラさせながら言った。うん、すごいねここ、家自体はまあまあな大きさだけど、庭が半端じゃなく広いね。訓練させる気マンマンだね。

「おお!庭が広いぞ!訓練が捗りそうだ!」

「ああ・・・そうだな」

 剣士くんハイテンション。勇者くんが押されてるよ。

「ハハ、この山全体がここの庭ですので存分にどうぞ」

 さっきまで黙ってた王の側近が余計なこと言いやがった。そんなこと言ったら武闘家ちゃんまで・・・

「やった!そこらに生えてる木とか折り倒していいってことじゃん!」

 ほら来た、武闘家ちゃんは素手で木を倒せるレベルだから1日10本くらいのペースで倒しちゃうよこれ。

「・・・」

 ああ、勇者くんがどんどん空気に。

「勇者さん、どうかしたんですか?さっきからあまり喋ってませんけど。」

 ナイス魔法使いちゃん!これで勇者くんが輪の中心になれるね!

「ああ・・・いや、俺が勇者だって昨日初めて聞いたもんだからな。」

「「「えっ」」」

 場の時間が止まった。

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