ビバ! ウイルス祭!

渋谷かな

第1話 ビバ! ウイルス祭!

「ようこそ! ウイルスの祭典! ウイルス祭へ!」

 ここは悪の科学者たちの細菌製造工場である。たくさんのウイルスが集まっていた。もちろんウイルスたちはゆるキャラやマスコットキャラクターや擬人化したものまでいる。これがウイルス祭だ!

「おまえたち! 感染したいか!」

「おお!」

「聞こえないぞ! おまたち感染したいのか!」

「おおー!!!」

「感染したいくて仕方がないのか!」

「おおおー!!!!!!!」

「俺たちは最近だ!」

「おおおおおー!!!!!!!!!!!!!!」

「ウイ! ア! ウイルスー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「おおおおおおおおおおおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 ウイルス祭の会場のボルテージは、人気アイドルのコンサートみたいに最高潮に盛り上がっていた。

「こいつら、アホか?」

 その様子を悪の科学者のドクターウイルスがクリーンルームから呆れながら眺めていた。

「え? このウイルスたちはドクターウイルスが作ったんでしょう?」

 新しい新任の助手である。ドクターウイルスは二代目で、一代目のドクターウイルスを殺した助手が悪の科学者ドクターウイルスに成りすましている。

「あ、そうだった。アハッ!」

 まだドクターウイルスに慣れていない元助手。

「俺たちの愛すべきメンバーを紹介するぞ!」

「おお!」

 ウイルスたちが紹介されていく。

「まずは新入り! 既に全世界で20億人に感染! 10億人の人間を抹殺した! ウイルス界のホープ! 新型! コロナ! ウイルス!」

「おおおー!!!」

 ナウでトレンドの新型コロナウイルスが紹介される。

「抹殺だ! 人間なんか! 皆殺しだ!」

「おお!」

「おまえたち! 武器でも人間でもねえぞ! 俺たちウイルスが最強だー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 すごいシャウトを効かせる新型コロナウイルス。

「おおおおおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 会場のウイルスたちはウェーブで盛り上げる。

「続いては、サーズ先輩だ!」

「おおー!」

 続いて少し前に流行ったウイルスのサーズ先輩が現れる。

「おまえたちの今日があるのは、この俺、サーズのおかげだー!!!!!!!!」

「おおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ウイルスを愛し、ウイルスに愛されたウイルス。それが俺、サーズだー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「おおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 サーズ。ある意味で恐るべしウイルスである。

「そして本日のウイルス祭のために特別ゲストを呼んでいるぜ!」

「おおおおおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「おまえたち! ウイルス界のレジェンドに会いたいか!」

「おおおおおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「それではご紹介しましょう! 世界を黒一色に染め上げたウイルス界の大大大大大先輩! 黒死病! キング・オブ・ウイルス! レジェンド・ペストの登場だ!」

「おおおおおー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 ペストがウイルス祭の会場に現れる。

「ウイルスを作るのに忙しいから手抜きなんだけど、これでいいのかな?」

 その様子を見ていたドクターウイルスは思わず首を傾げるのであった。

 終わる。

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