少女Aの夢。

未成年だった私~姫百合雅~

第1話 私と私の過去についてpart1

私は、普通の女の子でした。

例えるなら、少女A。

どこにでもいるような平凡な女の子でした。


強いて言うなら、読書家で

年齢に見合わない本を読んでいることが、

私の特徴でした。


父は、厳しくも優しい、いい父親でした。


母は、面白く家事が完璧な良き母親でした。


姉はとても才能に恵まれていて、

楽しむ事が得意な自慢の姉でした。


ですが、三人とも途轍もない常識人で、

正論を隣で唱えるように、さらりと、

言ってのけるのです。


父の口癖は

「出来て当たり前」でした。


母の口癖は

「■■しなさい」でした。


姉の口癖は

「空気を読んで」でした。


確かに私は姉と比べて

あまり頭も良くなければ、乱暴で、

表では仲良くするけど、友だちを選ぶような

人でした。

また、私は興味がある事しか集中出来ず

他の人が当たり前のようにやってのける事も

つまらなければしようとせず、

楽しいことだけをして生きていました。


そのせいか、家での疎外感は大きく、

学校では段々と一人になって行きました。


祖父母は、田舎に住んでいて、

家に行くといつも、

姉や従姉妹と比べられていました。


姉と比べられる事もどんどんと増え、

私は自分が悪い、

出来ない人間だと思っていました。


なるべく馴染めるように、頑張りました。


ですが、仲良くなっていた友達に

私は嫌われていました。


その子達はある時から、昼休み

走って何処かに行ってしまうようになりました。


その頃、英語の時間に隣の

ある男の子から、聴いたことです。


「■奈と■■子さぁ、お前を避けるために

 昼休み逃げてるの知ってた?」


その言葉を聴いたとき私は泣き崩れそうに

なりそうなのを必死に堪えて言いました。


「へぇそうなんだ。」


たった一言。

絞り出すように放った言葉は

我ながらとても頼りなく、情けなかった物に

違いないと確信できます。


その頃から段々と、私は一人になっていきました。


毎日、寝る前にずっとずっと泣き続けて

いました。


昼間は、笑顔を貼り付けて友達と接し、

家では、部屋に引きこもり泣いているだけの

生活を続けていました。


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