星鳴きの森

紫蛇 ノア

日記

星はいつか死ぬという。

あの太陽でさえ、寿命があるという。その理由は燃料切れにあると未来の科学者は言った。

なんでも、あの太陽を太陽足らんとする燃料が燃え尽き、大きくなって、周りにガスを流し、次第に冷えていくのだとか……。

まるで、地球に住まうヒトが、最期の瞬間に小さく言葉を吐いて、伝えて、流していくように。命のを点す芯を残し、魂を浮遊させていくかのように。

その一方で、太陽の半分よりも軽い星は、大きくもなれず、いつしか動きを止めて、静かに、ゆっくりと、冷たくなっていくらしい。

まるで、地球に棲う獣たちが、その儚い命を静かに散らしていくように。


嗚呼、なんと悲しきことか。人も獣も植物も、星でさえも寿命がある。死がある。終わりがある。


それぞれにそれぞれの物語があり、美しく儚い。


私はそれを、ただ羨ましげに見つめるばかりであった。

                             墓守の日記より 

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