最高のお祭り

もえすとろ

名探偵 アカイシ

やぁ、初めまして

私の名前は明石あかいし

下の名前はもうちょっと仲良くなったら教えてあげよう


何、私と仲良くなるのは簡単さ

私と一緒にこの難事件を推理してくれればいい

そう、君は助手として私を支えてくれたまえ


君は、そうだな……ワトソンとでも呼ばせてもらうよ


では、早速だがワトソン君に忠告だ


『もし何かに気がついても、決して私より先に言ってはいけない』

君がいくら優秀だとしても、だ


君の立場はあくまで私の補佐、助手なのだから


さて、前起きはこの辺にしておこうか


それでは、今回の事件の概要を説明しよう


・被害者は鳥だ

ああ、失敬トリと言う名前の鳥だ

なぜ彼……いや彼女か?

まぁ、どちらでも良いか

が殺されたのか?


鳥を殺した所で、一体何の得があるのか

今の所……2、3しか思いつかない


そして

・犯人は誰なのか

コレは、実はそこまで難しい問題ではない


何故ならここは、絶賛孤立中なのだ


季節外れの嵐のせいで、最寄の街へ続く唯一の道路が使えなくなってしまったのだ

電話もつながらず、電波も届かない


なので、このクローズド・サークルにおいて犯人は逃げも隠れもできない


では、肝心の犯人候補の紹介と行こう


まずはコイツだ

カタリィ・ノヴェル

男性で、見た目の年齢は10台と言ったところか

華奢な見た目で、少し話した感じ温和な性格の様だ

この少年が犯人とはとても思えない……という先入観で、私を欺いているかもしれない


次は怪しさが飛び抜けている、リンドバーグという少女だ

自称・自動人形オートマトン

しかしながら、その動作や感情表現に至るまで全てが生きている人間と変わらない

という事は、彼女は人間だろう


自身を機械仕掛けだと嘘を吐く理由があるという事だ

実に怪しい

得意な事は小説家のサポートだとか

家政技能保持者か何かのようだ


そして、もう一人

コイツはホント何と言っていいのか分からないが……

そうだな、一言で言うなら平凡

もっと言うなら凡庸だ

毒にも薬にもならなそうな男だ

普段何をしてるのか聞いたところ【ネットで小説を書いている】と小声で言っていた

本人曰く、全く読まれない訳ではないが

閲覧数は限りなく0に近いそうだ

きっと向いていないか、実力を出し切れてないのだろう


そんな自称小説家は

散歩していたら、迷子になりこの館に辿りついたという完全な第三者だ

ハッキリ言って、この男は除外していいだろう

何の覇気もオーラも感じないからな


後は君だが……まぁ、君は信用しても問題ないだろう

私の勘がそう告げている

だからこそ、君を助手に指名したのだ


何?私か?

私が犯人な訳ないだろう?


そもそも、だ

を含め、カタリィ君とバーグ嬢はこの館の主から招待状を貰って来ている

先ほど見せてもらったが、内容は違えど同じ差出人からで間違いない

偽造の可能性は低いと私は見ている



ちなみに私の招待状には、こう書かれていた





自称名探偵への挑戦状


君にの場を用意した

主役はもちろん君だよ

君が本当に名探偵ならば、この住所まで来て

その隠された実力を発揮してみろ

もし、本当に実力があるならな

ハッハッハッハッハッハッ


               館の主より






この超名探偵である私をコケにした報い、受けてもらうぞ

館の主ッ!!



すまない、少々取り乱した


さて、ココまでで分からなかった事はあるかな?

その顔を見るに、無いようだね


実に心強い助手だ

やはり私の勘に狂いは無かったようだ


では、推理を続けよう


とその前に、私から君に提案だ


少し喉が渇かないか?


そう、ティータイムにしたいのだが

どうだろうか?


もちろん、協力を仰ぐ立場だ

私が至高の紅茶を出そう


何故紅茶なのかと言えば、簡単だ

探偵と言えば、紅茶だろう?


分かったら、そこにかけたまえ


よもや、私の淹れた紅茶が飲めない

なんて言わないだろう?


ふふ、そうだ

君は実にイイ助手だよ

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