…3ノ月08ノ日…


…3ノ月08ノ日…

 腕の節々がジンジンする…。

 腰も。

 背中も。

 足も。

 まさか、自分の体がこうも弱いものだったとは。


 アムールさんに習い始めて、訓練をするようになって、その体のあちこちから、休憩しろーッて怒られ始めた。

 剣の素振りに、槍の素振り、1人で黙々とやり続ける訓練には、頭の中で敵を想像するとイイって言われたから、あのチョビ髭男を想像しながらやった。

 だからなのか、一昨日よりも力も入って、この体中の痛みに繋がったのかもしれない。


 チョビ髭男。

 魔物じゃなくてチョビ髭男。

 敵、その単語に、自分が真っ先に思い浮かべたのがソレだった。


 魔物は、結局動物に襲われたのと同じ感じだ。

 酷い有様になっても、自然の世界の弱肉強食、そんな言葉が頭に浮かぶ。


 でもあの男は違う。

 こちらの苦労を理解してるはずなのに、同じ人なのに、それを意に介さない。

 イヤな奴だ。


 思い出すだけで腹が立つから、今日はもうおしまい。

 というか、筋肉痛で早く寝たい。


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