幼馴染との問答
「ねぇねぇ礼二」
「ん?なんだ?」
「うちの千保お姉ちゃんってさぁー」
「おう」
「エロいよね?」
「ぶっっふっ!」
ある日のお昼すぎ、遊び疲れたからか俺の膝の上で寝てしまったゆーちゃんを抱き抱えつつ、礼二の勉強を見てやっていた俺は休憩のタイミングで礼二にそんな事を聞く。
そしていきなりそんな突拍子も無いことを聞いたからか、幸い俺とゆーちゃんには被害は無かったものの、礼二の吹いた水により礼二の教科書の幾つかが被害を負った。
「あーあー、何やってるのよもー」
「げほっ!ごほっ!わ、わりぃ」
「んで、どうなの?」
「そ、そうだなぁ……確かにあれはエロいと思うぞ、アレは、うん」
「やっぱあのおっぱいはエロいよねぇ」
「人がせっかく濁して発言したのにお前……」
「あっはっはっはっ。中学生くらいまでの男子ってこういう事に関してはハッキリと言うの恥ずかしがるよねぇ」
割と前世でも大学生になった頃には完全に消えた感覚だからなぁ……あの頃の感覚はもう分からんぜよ。
「んで、いきなりどうしたんだよ。いつもおかしいとは思ってるけど今日は一段とおかしいぞ」
「さらっと酷い事いうねぇ礼二……この子がどうなってもいいのかー!お姫様と見間違うくらいまでもっと可愛くしてやるぞー」
少し騒がしかったのか、ほんのちょっぴり顔を顰め腕に抱きついてきたゆーちゃんの頭を撫でて上げながら、悪い顔で片手をわきわきさせて礼二にそう言う。
「脅しになってねぇからなそれ……で、どうなんだ?」
「いやぁー、実はこの間お風呂で千保お姉ちゃんの揉んで揉んで揉みしだいたんだけど」
「おぉう……」
「全然エロいって感じなくてさぁー」
「女同士はそんなもんなんじゃねぇの?ほら、お前もよく教室で伊部さんとか……他の女子と揉み合って遊んでたろ」
「その言葉の間に関しては突っ込まないでおいてあげよう」
「感謝する」
「でもそうかぁ……」
言われてみれば中学生になってからはよくそういったじゃれ合いしてたけど、確かにじゃれ合ってるって感じだけで劣情的なのはなんにも感じる事は無かったよなぁ……
「つまりエロいがエロくない、エロくないがエロいということか?」
「いや俺に振られても……エロいのはエロいんじゃねぇの?」
ふぅむとゆーちゃんを撫でる手を止め顎に手を当て、そんな前から自分でも全く気づかないうちに変化があっていた事を認識した俺は、そこでふと気がつく。
「ってさらーっと流したけど、もしかして私達がじゃれ合ってたのじーっと見てたの?」
「あ、いやっ、それは……」
「ふはは、私が怒るとでも思ったかい?よい、よいのじゃ、男子はそれで良いのじゃ」
「そうだった……こいつはこういう奴だった……」
「なはは。ちなみにさ、礼二は私に対してそんな事思ったりするの?」
「そっ、それは…………」
「ふみゅ……んんっ……ちよねーたん?」
「あら、起きちゃった?」
「うんー……んにゅぅ……う?」
「ん?どうかした?」
「おにーちゃ、おかお、まっか!」
「んなっ?!そっ、そんな事ねぇし!」
「あー、確かに言われてみれば。礼二顔赤いぞー」
「るっせぇ!」
目をゴシゴシとしながら起きたゆーちゃんに顔が赤くなっている事を指摘され、恥ずかしがってる礼二へ俺は更に追撃を仕掛けるのだった。
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