何して遊ぶ?
「腹いっぱい腹いっぱい」
「満腹満腹」
「礼二すっごい食べてたもんね。そして叶奈ちゃん、女の子なんだからお腹出さない」
「ふぁーい」
「そう言う千代はあれで満足なのか?全然食べてなかったけど」
「不思議な事にあれで満足なのです。正直お腹いっぱいで苦しい」
口が小さくなって一口も小さくなったはずなのに、たったそうめん十数口程度でお腹いっぱいだ。前世は結構ガッツリ食ってたはずなのに、今世じゃ全然食えないよ。
「洗い物終わったよー」
「綺麗な器に傷を付けることなくきちんと皿洗い完了しましたよ」
「ん、二人ともありがとー」
そう言うと礼二や叶奈ちゃんと居間でごろんとしていた俺は、今の今まで皿洗いをやっていた綺月ちゃんと神井くんにお礼を言う。
料理してくれたからそのお礼、だそうだ。ちなみに夕食は叶奈ちゃんと礼二がお皿洗いの当番になる予定だ。
「さて、それじゃあお昼ご飯も済ませたしこれから何するかだけど……何か考えがある人居る?」
「はいっ!はいはいはーい!」
「お、珍しい。綺月ちゃんどうぞ」
「私アレ!アレやりたい!」
「アレ?」
「アレってなんだ?」
「さぁ?」
「ほらアレだよアレ!昨日ドラマで綺麗な女の人がやってたカードの奴!」
カードの奴?ドラマ?んー…………あ、もしかして。
「ポーカー?」
「そうっ!それっ!」
あー、確かにやってたもんなぁ……綺月ちゃんドラマ好きだし影響受けるだろうとは思ってたけど……
昼間からポーカーかぁー……
「せ、せっかく梅雨も明けていい天気なんだし、ポーカーは夜にやるとして今は別の事しない?」
いくら物を賭けない健全なカードゲームとしてやるにしても、流石に昼間っから小学生がやる事じゃないと思うんだオニイサンは。
いやまぁ今は俺もその小学生なんだけど。
苦笑いしつつ、目を輝かせる綺月ちゃんに俺がそう言った事により、遊びたい盛りな男子と叶奈ちゃんの援護も飛んで来てなんとか説得に成功する。
「その代わり夜にはやろうね?約束だよ?」
「うんうん」
そんなにやりたいかポーカー。
「んで、遊ぶにしても何して遊びます?」
「今日暑いし、叶奈は水遊びがしたいぞ!」
お、水遊びか、いいねぇ。俺も美幼女二人の可愛らしい水遊びシーンだ眼福していきたいが……
「えー、私濡れるのやだぁ。れーくんは?」
「俺は水遊びしたいが……風邪治ったばっかりだからな」
「あー、確かに。ちよよんは濡れたらダメだな」
そうなんだよねぇー。
やっと風邪治ったばっかりだからまだ身体に負担がかかるようなのはしちゃダメって家族皆にも言われてるし、でも水遊びも……うーん…………あっ、そうだっ!
「それなら西山のいづち池に行こっ!」
「え?花宮さん水遊びする気?」
「だ、ダメだよちよちー!また風邪ぶり返しちゃうよ!」
「ふふふふふ、大丈夫!私がするのは水遊びじゃなくてー……これっ!」
そう言いながら俺はとてとてと縁側に走っていき、数秒もかからず戻ってくると手に持っていたそれを掲げあげる。
それは丈夫でしなやかな青竹の棒に丈夫な糸が通され、その糸の先には光を反射しキラリと光る鋭利な返しが着いた針のある────
「「「「釣竿?」」」」
俺お手製の釣竿があったのだった。
「いえーっす!水遊びならびしょびしょになっちゃうけど、釣りならそこまで濡れる事はないてしょ?それにほら、いづち池なら」
「そうか!浅いし水底も石だから奥に行かなきゃ安全だもんな!」
「ちよよんあったまいいー!これならみやみやもちよよんとのんびりしてればいいし、みやみやどうだ!」
「んー、それなら私もいこっかな」
「よっし!それじゃあ皆各々準備ということで、三十分後にまたここに集まろ」
「分かったぞ!」
「了解」
「いいですよっ!」
「日傘が居るね!」
なんとか満場一致でやることが決まった後、俺の言葉に皆はそう返事をすると準備をする為にそれぞれ自分の置いてある荷物の場所へと向かうのだった。
こうして、俺達のお泊まり会は幕を開けたのであった。
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