親友第一ですがなにか?

夜空

ふざけんなと素直に言いたい

古今東西、この世には色んな作品がある。有名なあの美術家の絵や彫刻、古代の建築物に故人の残した詩や物語。彼らはただ思いのままに生きた結果偶然この世に名を残すこととなった。狙って名を残した者など全くいないとは言えないが確率は低い。


 長々としゃべったがとどのつまりは・・・・・・

転生したからといって無理に動く必要はない。名を残したければ別だが。クラス単位での召喚ならなおさらだ。

クラスの中心人物が主導で勝手にやってれば良いとウチは思う。


 そもそも、いきなり呼び出したくせに世界(か国)を救ってくれとは何事だ。本当に救って欲しいのならその玉座から降りて土下座でも何でもして媚びるがいい。世界の危機より自分のメンツを優先するのなら勝手に滅びてろ、ウチは親友達と勝手に元の世界に帰ってやるから。


 なぜウチがこんなことを言うのかもうお分かり頂けただろう。その通り、いきなりこっちに呼び出されたのだ。

テメエそのヅラ取ってやろうか?ついでに王冠もな。あと、ウチの親友に色目使ってんなよ馬鹿王子すりつぶしてやろうか?あぁ?


 ウチがそういう風に心の中で思いながら表面上は聞いてる風を装うと王様(笑)との話が進みスキルをこの世界の(もしかして駄)女神に授けてもらう儀式へと移るらしい。めっさどうでもええんやけど、よし、決めたウチは明日ここから脱出してやる。

もちろん、親友に提案してから。


 などと決意している内にウチの順番は回ってきた。は?湖に飛び込め?頭大丈夫?そんなとこに女神いるんなら琵琶湖で普通に会ってるだろ。ビバ!日本最大の湖!

とにかく急かされるので飛び込んでみる。見えたのは底ではなく白い大理石。意味わかんねぇ。目の前には幼女、わけわかんねぇ。


「よく来た異界の人間よ!」

「・・・こんな所でどうしたの?ママはどこ?」

「母上は上階に、じゃない!私は子供じゃない!立派な大人じゃ!というか女神!」

「そうなの?はっ!まさかこれがかの有名な合法ロリ!?いや、でも・・・・・」

「・・・・・・もういい、貴様にスキルを授ける」

「ブツブツブツ・・・」

「──といってこのスキルは今まで使いこなせた者はおらん。せいぜい頑張るのだな。

では地上に戻す。というか私はロリじゃない!」


パッと景色が変わった、さっきまでの空間と美幼女はおらず、代わりに親友がいた。とりあえず抱きついておく。親友は少し驚いた顔をした、可愛い。美幼女との面会はウチが最後だったようでまた城内の移動が始まった、めんどくさっ!


まずは城内で食事を行うホールのような場所で夜ご飯を食べることとなった。なんだかんだ時間は経っていたらしい。テーブルにはパンをメインとしてそれに合うおかずやスープが置かれている。

ま、いちいちコース料理だったら色々と手間がかかるからこれで良いのかもしれない。城の状況なんて知ったこっちゃないが。親友が終始笑顔だったので感謝はしておく。有難う厨房の料理人達よ。


 食事が終わると部屋へ案内された、部屋数が足りないとかなんとかで数人纏めてだいぶ広い所へ放り込まれた。ウチは親友と同じ部屋だった。他の部屋と少し手狭らしく『お二人でお使いください』とのこと。都合が良い。ここで話をしておくとしよう。


      ──提案中──


 途中途中、関係の無い話へと飛んだりしたウチらではあったが我らが親友の『うん?いいんじゃない?楽しそうだし!』という一言で話し合いは幕を降ろした。


 脱出は明日!決行はその時による!今は睡眠優先!おやすみ!











───親友は寝顔も可愛かった。それを間近で見れた私は勝ち組。

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