第29話 デートしませんか?

「ダメですよ鳳くん!」

「ダメだよ凛!」


俺より先に結衣と一ノ瀬が反論した。

俺の意見は無視かよ


「あの、これは凛くんと私の話なんですけど」

「なんで結衣さんと一ノ瀬さんが邪魔するんですか?」


「それは、、、」

二人は言葉に詰まってしまう


「凛くんはどうなんですか?」

「私とデートしませんか?」


そして、ナタリアさんは俺の耳元で

「日本の英雄さん」

と呟いた。



「なんでそれを?


それはミサイル事件の時、生徒の記憶を消したから知らないはず。


「凛くんも楽しい高校生生活を送りたいですよね」

ナタリアさんは綺麗に笑いながら俺を見ている



これは提案じゃなくて強迫じゃねーか


そして、俺はナタリアさんとデートしているわけだ。




「さっ、凛くん行こっか」

ナタリア先輩は俺を強引に引っ張りながら歩いていく。



「手繋いだ!」



「えっ?」

いま、一ノ瀬の声が聞こえたような、、、



「一ノ瀬さん、そんな声出したら凛たちにバレちゃうよ!」


「でも、結衣さんあの二人手繋いでましたよ!」

「会ったばかりの男女が手を繋いぐなんて非常識ですよ!」


「もう、この超絶お嬢様は、、、」

「どんな教育受けてきたのよ」



「さぁ、後を追うわよ」


俺とナタリア先輩は街をぶらぶら歩いていた


「ナタリア先輩、今日はどこに行くんですか?」

ナタリア先輩に聞くと、、、


「敬語禁止」

ほっぺを膨らましながら俺を見ていた

さっき注意されたばかりだった



「あと、先輩ってのもやめて!」


「でも、先輩、、、」

女の子とデートも初めてだし

しかも、ナタリア先輩みたいな美人とデートするだけでもすごく緊張するのに

敬語禁止にタメ口は難易度高すぎるよ!



「分かったよ、、、ナタリア」


ナタリアは満面の笑みを浮かべ

「よろしい!」

と言った。


不覚にも笑顔に見惚れてしまった



「血気盛んな若い男女が行く所は」

「アソコしかないでしょ?」



「えっ、、、アソコ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る