第2544話 73枚目:集めた先
その後まもなく司令部の人というか、顔見知りの元『本の虫』組の人だったが来てくれたが、何故か『巡礼者の集い』の上位メンバーの人が一緒に来ていた。うん?
と、一瞬疑問に思ったが、冷静に考えるとそれはそうだな。何故ならアイテムの名前は「亜神の欠片」。神の文字が入っている。なら『巡礼者の集い』、もとい、一緒に来た人の信仰する神が伝達・連絡をいうものを司る神だった筈なので、「第一候補」及び御使族の人達に協力を仰ぐのは当然だろう。
という事で、迎撃は一旦ストップして砦の中に戻り、しっかり安全を確認した部屋で「亜神の欠片」を取り出し、2人に確認してもらう。
[アイテム:亜神の欠片
説明:神に届きうる素質と功績を示した何かの欠片
集めると大きな欠片になる
大きな欠片を集めると……?
詳細:欠片を100個集めると大きな欠片になる]
やはり次は大きな欠片だったか。必要な数は小さくなっているが、そもそも欠片1つが「夢」アイテムと「残滓」アイテムそれぞれ千個、つまり二千個だからな。十分多いし遠い目標だ。
ただちょっと意外だったのが、『巡礼者の集い』の人を通じて「亜神の欠片」を確認した御使族の人達曰く、これについては特に違和感を感じない、という事だった。
モンスターというのは、やっぱりどう頑張ってもこの世界にとっては異物だ。だからどうしても違和感は拭えないのだが、それが無いという事は、異物ではない、という事になる。
「この世界に馴染んだって事ですか?」
「言葉は色々ありますが、おおよそそのような意味の事が起こっていると思われます」
「……御使族の方々曰く、集めた先が見てみたい、及び、その変化は恐らく時間がかかると思われる為、加護のあるインベントリに集めた方が良いだろう、との事です」
という事で、そのまま一旦仮倉庫に移動だ。移動している間に元『本の虫』組の人が司令部経由で仮倉庫を利用している
なのでそこそこの人数が「夢」アイテムと「残滓」アイテムを回収に来たようだが、大半は同意してくれたようだ。一部同意に際して「亜神の欠片」を見せてほしいという連絡もあったようだが、そちらは司令部で対処してくれたとの事。
まぁさっき見せた時に【鑑定】結果とそのもののスクリーンショットは撮ってたからな。アイテムの性能と詳細が知りたいのであればそれで十分だろうし。
「で、入れて見ましたが、もう1つ出来ましたね」
「あと98個ですね」
遠いな。数だけ見ればそこそこだが、×二千個って考えると遠いんだよ。
……しかし、「夢」アイテムと「残滓」アイテムは「大神の悪夢」から挑める再現レイドボスでも手に入る。レアドロップだからそこまで数は出ないんだが、それでも手に入れる事は可能だ。
その上で、時間をかければこの「亜神の欠片」への変化は誰でもできるという御使族の推測。という事は、時間こそかかるが誰でもこの「亜神の欠片」を手に入れられるという事だろう。
「……。まさかの神系進化ルートの必須アイテムだったりします?」
「その可能性もありますね」
おっと、周りで聞き耳立ててた
……まぁ、神は神でも亜ってついてるから、純粋な神になるにはもっと条件が必要なんだろうが。それこそ修行するとか。ただそれでも、その力の一端でも手に入れば強いのは、『勇者』やそれこそ「モンスターの『王』」を見てれば十分わかるしなぁ。
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