第2388話 71枚目:内容確認

 どうやら自分が突入する為に必要な星の数はイベントページから見れるし、テイム相手であればパーティを組んでいれば見れるとの事なので、一応見ておいた。たぶん無理だろうと思ったけど、まぁ一応。

 結果? えーっとだが、意外な事に、一番少ないのがルウで14個。まぁこの時点で大体諦めたんだが、一番多いのがサーニャで、なんと驚きの56個。絶対無理だろこんなもん。私自身も37個だからあんまり言えないんだけど。

 カードケースの仕様も色々分かっているのだが、全く同じものをいくつもカード化して詰め込むっていうのはダメらしい。同じカードは一度に3枚まで。だから、上質な素材をたくさんカード化して突入、っていうのは難しいようだ。


「それも、インゴット、とか、回復ポーション、とか、そういう大きい括りで最大3枚までのようですし」

「やべぇっすね。それが全部、実質使い捨てって事っすよね?」

「無くなりますね。補給した分があっという間に無くなると阿鼻叫喚ですよ」

「むしろこの為のボーナスステージだった気がするっす」


 また星の数は加工の手間暇がかかっている方が多くなるらしく、鍍金の竜の鱗で星1個、ヘルマちゃんが編んだ金属糸とグラスファイバーのレースハンカチでようやく星2個だった。それ以下のアイテムだと、そもそもカード化出来ないらしい。

 何人かが空間に突入したようだが、一応突入権を得た召喚者プレイヤーであれば自由に出入りできるらしい。現在の所、突入した先は通常の野良ダンジョンに近いようだ。ただし、外部と一切の連絡がつかない。一応オートマップは働くようだが、外に出ると全部消えるようだ。

 なので、地道にマッピングをしながら進んでいるようだが……1人で探索するのはかなり厳しい広さがある上に、普通に罠やモンスターが待ち構えている。せめてパーティで動けないとどうにもならない、というのが結論らしい。


「あー……召喚者プレイヤーでも住民の仲間でも、突入者が全部コストを支払う形でしたか……」

「ますます先輩やエルルさん達が突入できねーっすね」

「自分がそもそも高コストですからね」


 なお、装備を全部外して初期装備にすると、私自身の突入に必要な星の数は27個になった。10個分は装備だったらしい。そっかー……。あの性能で人間種族ベテラン勢(鍛え直し中)1人分かー……。

 今の所宝箱の類は発見されておらず、モンスターから得られた素材は他の場所で手に入る物と同価値、罠を解体したとしても大差はないとの事で、まず最初の1つをクリアするのに苦戦しているようだ。

 クリアしたらカード化した装備が戻ってくる、って訳でもないみたいだし、ただの通行料にするにはサブ装備だって高いだろう。メイン装備は言わずもがな、ちょっとハードルが高すぎる。


「まぁ……料理と、薬と、投げナイフと、最前線からすれば格落ちの装備一式。これを上限3枚ずつ入れればベテラン勢は突入できるようですから、最初から1人で探索する前提で突入すれば、ギリギリクリア出来そうな難易度のようですし」

「ダンジョンそのものの難易度はそこそこらしいっすね。だからひたすら警戒とマッピングと、何より移動が厄介だとか」

「分かってましたが、やはり移動が敵になりましたね……」

「そんな気はしてたっすけど、やっぱり移動が敵っしたね……」


 そんな気はしたよ。オリジナルの事を考えればな。こんな最初から全力で制限してくるとは思わなかったけど。

 この手の相手は初動が大事。そこを全力で潰してくるとは、やっぱりある程度以上に学習してるんだよな。こっちの戦法と、どうすれば阻害できるか、嫌がるかっていうのを。……分かってたけど、本当に厄介だ。

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