第1953話 65枚目:障害の原因
さて旗槍を振り抜いた結果、見事に透明な何か、ガラスの塊のようなものは、その高さが半分以下になった。
ただ、ガッシャーン! と気持ちのいい音が聞こえたのは良いんだが、それが見えない天井からも大音量で響くとは思わなかったな。流石に砕けて消えたらしい、根本から叩き折った先の部分が巨大化して降ってくる、って事は無かったけど。
そこまで派手な事になって、エルルとサーニャが気付かない訳もなく。当然すぐに合流してくれた。一気にモンスターの圧が緩んだよ。もちろん、待機していた大柄な種族や身長の高い
「やっぱりあの透明な物が原因でしたか。……しかし正方形の見えない天井を、パズルか市松模様のようにきっちりとエリア分けしていたとは」
で。私が叩き折ったガラスの塊のようなものを司令部の人が調べてくれた結果、やっぱりこれが見えない天井の原因だったようだ。というか、見ている間にも本当に少しずつだが、長さが戻っていっているらしい。
なので改めて地面すれすれで叩き折ったところ、見えない天井による高さ制限がほぼなくなったらしい。もちろんまだ高く飛ぶと問答無用でダメージが入るが、そこまでは動けるようになったらしい。
そこまで動けるようになったら、もちろんすぐにその範囲が調べられる。ついでに見えない天井に攻撃してもダメージが入るというのも分かったから、単体対象の攻撃を叩き込む事で、あのガラスの塊のようなもの1つでどのくらいの範囲に見えない天井が発生するかも判明した。
「しかし中心に行けば行くほど範囲が小さくなるとはいえ、1辺に50個も並んでいるとは……」
という訳で、今は絶賛外から見えない天井への攻撃が行われている。外から攻撃しても削れるのなら、少しでも削って高さ制限を緩めてから、本体に当たるのだろうガラスの塊のようなものを攻撃した方が色々楽だからな。
ただ見えない天井を攻撃して欠けさせると、そのたびに、ガッシャーン! と派手な音が響く。これが結構うるさい上に、相当な量のモンスターを呼び集めるらしい。なので、防衛がちょっと大変な事になっている。
まぁでも、見えない天井を攻略できるようになって拠点を作れるようになったから、防衛自体は何とかなっている。何なら、見えない天井へ攻撃する為の足場にもなっている。
「それにしても、見えない天井にガラスの塊のようなもの……。……相変わらず心当たりが思い浮かびませんね」
……まぁ、復活レイドボスの正体の推測って意味だと全然進捗が無い訳だが。いたか? あんな奴。いや、何かしら変化はしてるんだろうけど。だからって、天井、高さ制限で、ガラス? そもそもガラスっぽい奴がいないんだが?
どれだ? と思いつつ、私も見えない天井への攻撃に参加してるんだけど。私は恐らく【月燐石のネックレス・寵】でスルーしたようだが、あのガラスの塊のようなものを攻撃すると、カウンターとしてかなりの量の状態異常が積み込まれるらしいからな。
当然周囲からはモンスターが群れで襲ってくる訳で、流れ弾1発で即死する状態っていうのは流石に無理がある。オーバーヒールは徹底されているが、最大体力(HP)の3倍から5倍のダメージが瞬間的に叩き込まれれば即死するしかない。
「まぁその状態異常にしても、【響鳴】の対象になっているお陰で、私の周囲に居る限りはほぼほぼ積み込まれないみたいですし」
本当にありがとうボックス様。これが無かったら今頃どうなってた事か。何せあの見えない天井、その下に居る限り、かなり神の加護や祝福を妨害してくるみたいだからな。
もちろん妨害強度は天井が低ければ低い程強い。だから余計に、その影響を受けない外から攻撃して削ってるんだけど。
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