第1932話 64枚目:変化追加
当然、安全の為に精霊獣系の子達が集まってきているので、ほのぼの空間再び。
……だと思ったのだが。
「すごい数のモンスターが来てますね。絶対こんな数はいなかったと思うんですが」
「どこからともなく湧いて出てきているのでしょう」
絶賛戦闘中である。私がスタミナ限定だが供給による無限回復をしつつ魔法で遠距離火力になっていると言えばどれだけ数がいるか伝わるだろうか。もちろんサーニャは前衛として前に出ている。
出てきているのは普通のモンスターなので、いつも通りに戦闘出来る。出来るが、ちょっと数が多くないだろうか。これまでの大陸なら、灯りの奇跡の炎を放り込んでるぐらいだぞ。
休みに来た
「レイドボスのリソースが増えると碌な事がない、の良い例ですよね。本体では取り込めそうにないと判断したらこうですか」
「しかし地下まで含めると相当な大きさとなっていますからね。見えている体力に変化はありませんから、核の数としては増えていない筈です」
「1つの核が成長したら体積はむしろ増えるぐらいなんですけどね。まぁ現状でも入れ物1つに1つの核しか入っていないようですが」
たぶんそういう事なんだよな。ちなみにそんな会話をしているカバーさんは忙しくメニューを操作しているので、司令部もわちゃわちゃしているのだろう。……と言う事は、他の場所でもモンスターの群れが発生したか?
まぁ普通に戦って削れるならそっちの方がいいのは確かなんだけど。見えてるのに叩けない巨大なレイドボスっていうのも腹立つからな。
何かカウントが違うのか、それとも一応は“呑”む経由の繋がりがあるからか、「伸び拡がる模造の空禍」がモンスターを取り込もうとする様子は見えない。取り込んで無限回復、には、とりあえず今の所なっていないようだ。
「まぁどうせその内モンスターを取り込んで回復し始めるでしょうけど」
「その可能性は高いですが、その場合でも端から体積を切り崩すしかありませんね」
そうなんだよな。そしてその切り崩すのに使える手札が精霊さん及び精霊獣系の子達か、限りなく純粋な神の力しかないって言うのが問題なんだが。
せめてもうちょっと何とかならなかったか? という感じだ。まさか「集め融かす外法の肉禍」と同じく、わざと食わせて属性を偏らせなきゃいけないって訳でもないだろうし。
もちろん今現在でも、精霊さん達や精霊獣系の子達の攻撃なら普通に通用して体積を削る事が出来る。オリジナルに対する影のできない光のように、吸収できない対象だから。だがそっちはそっちで火力が足りないし、そもそも「土地の力を戻す」為にあちこち引っ張りだこだ。
「だから普通に攻撃して削れている、可能性があるこのモンスターの群れは、本当に削れているのであればありがたいぐらいなのですが」
「ただの取り巻き召喚であり、通常行動である可能性も十分に高いですからね」
ははは、とカバーさんは笑っているが、笑ってる場合じゃないんだよな。笑うしかないとも言うけど。つまり無限湧きの可能性がそこそこ高いって事なんだから。
正直、今すぐにでも私と一緒に居てくれている精霊さんだけでも攻撃に参加してもらいたいが、私が近づいて種族特性の力場を食われると本末転倒もいいところだ。それに【精霊の恩寵】による精霊さん達の支援も、『勇者』の絶対的な耐性すら抜けてくる謎のダメージは防げない。
大きさの割に意外と体力(HP)そのものはあるらしい精霊さんだが、やっぱり長期戦闘が出来る程ではないんだよな。検証班によれば、状態異常もしっかり積み込まれていたらしいし。
「せめてもうちょっと何とかなる手段の1つ2つはある筈なんですが。……流石に、御使族の方々にここまで出張って来てもらう、とかではなく」
「最終手段としてはそれもやむを得ませんね」
やむを得ないのか。……まさか司令部、今忙しいのって、その辺の交渉もしてたりするからか?
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