第1764話 61枚目:最終準備
負荷はいい加減大変な事になっていたし、実際ポーションを飲みつつ周りから回復してもらって耐えている状態だったので、普通は無理なんだろう。たぶん、突入した人数が多かったんだ。初手だから仕方ないけど。
それでも何とか耐えきって、
もちろん私達は全員一致で撤退を宣言。空間の揺れと共に転移させられたのは、あの建造物の入り口前だった。当然ながらモンスターが湧いていて、こちらにも襲い掛かって来るのだが……まぁ、うん。ただのモンスターなら何も問題は無い。
「それと、やっぱりあの場所だと負荷が大きかったようですね。外に出たら多少マシになりました」
「あれが本体かどうかは分かりませんが、状況的には直接相対していましたからね」
そんな会話というか確認はあったが、一旦相手の領域から撤退だ。何をするにせよ、安全な場所でいろいろ確認したい。
と、思ったのだが。
「あれっ?」
「出れないとかちょっと待てや!」
「嘘でしょここに来てこの状態で!?」
「……あの、私は普通に出れるんですが」
「俺は出られないな」
……本当になんというか、あの謁見の為の鍵の一部、6個ワンセットになる歯車を持っていると、歯車仕掛けの大都市だった範囲から出られない事が分かった。
試しにエルルが持っていた分を私が受け取ると、私が見えない壁に阻まれてエルルは出れるようになってたから、間違いない。こうくる?
「本来なら歯車で出来た大都市の中でこれって、実質生かして帰すつもりがないのでは」
「……今すぐに確認は出来ませんが、もしかするとこの鍵の一部、外に出すと消えてしまう可能性がありますね」
「……それだと、死んでも外に出れない可能性もあるんじゃないでしょうか」
正解? 死んでも外に出られない、だったよ。正しくは、インベントリに入らない歯車を持ったまま死ぬと、身体の大半が歯車になっているモンスターに変わってしまった。
倒してもドロップは何も無く、本人はモンスターに変わった数分後に後方で復活していたので、その辺の挙動はここまでと変わらない。……で。
「ようやく名前が分かりましたが、「欲し歪める異界の偶王」と来ましたか……」
つまりは「~の僕」とつくモンスターだ。おかげであの肉団子もとい偽装美少年の名前が分かった訳だが、今回もまた大概な感じだな。分かってたけど。
とりあえず、歯車仕掛けの大都市だった場所の端まで行けば、領域スキルを展開する事への負荷もそこまでではない。自然回復力を割らなければ、私自身は回復できるからな。
ただ相手の領域の中ではあるし、あの不思議なバリアが展開されている間はぐっと負荷が増えたので、あんまり長居はするべきじゃない。……本来ならな。
「そこを長居せざるを得ない状況にしてくるとか、本当になんというか性格の悪い……」
「本当に大丈夫なんだろうな」
「外にいる分には大丈夫ですね。まぁあの中に入ったとしても、たぶん、それこそ6人ぐらいなら余裕をもって守れると思いますが」
歯車を持った状態だと大都市だった場所の外へ出ることが出来ないので、向こうから来てもらってレイドボス戦の準備を整えているところだ。この後はもう1度あの中に突入して端数となった歯車をセットにして、その後実際に使ってみる予定となる。
私もルディルからポーションを受け取っているし、装備の耐久値はまだまだ問題ない。なので領域スキルへのリソース投入量を調節して、自然回復力スキルに経験値を入れている。
実際「欲し歪める異界の偶王」と戦う時には、今以上に負荷がかかるのは分かってるからな。悪あがき程度でも上げておけば、ラスト一撃が入るか入らないかぐらいは変わってくるかもしれないし。
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