第1517話 49枚目:脱出方法
風属性の壁系魔法式ポンプは上手くいったので、とりあえず3方向ある全ての通路に設置しておいた。今までの苦労は何だったのか、という勢いで温水が押し出されていく。水中に設置しても動くんだな、あれ。
壁系魔法の上に壁系魔法を積めば、部屋の外の方が水位が高くなったし、前後に並べればポンプとしての勢いが強くなった。いやー、これは気付きを得てしまったな。もっと早くやればよかった。
という事で、部屋自体はとても安全な状態でログアウト。岩盤浴効果を期待して、ティフォン様の方の儀式場にテントを設置しておいた。確かに床が温かくて気持ち良かった。ログアウトしたら空間がロックされるので、関係なくなるかもしれないんだけど。
「とりあえず、カバーさんにリアル経由で連絡しておいて、と」
閉じ込め空間(仮称)の探索で、午後のログインは使い切ってしまったからな。次は夜となる。フリアド内部時間では日付が変わって次の昼になるが、もうマップリセットはその辺り関係なくなってるから気にしなくていい。それもどうかと思うが。
連絡を入れると秒で返事が来たので確認。……相変わらずエルルとサーニャの様子には触れられていないが、
それに応じて閉じ込め空間(仮称)の中に引き込まれる
「なるほど。まぁ要救助者がいるって時点で、脱出するのに協力してもらう事が必要なんだろうなとは思ってたけど」
もちろん通常空間に作る儀式場は使い回せるが、あの閉じ込め空間(仮称)の中に作る儀式場は毎回作らなければならない。使った資材は回収できるとはいえ、手がかかるのは間違いないんだよな。
第一本来なら、そこまでの安全確保と要救助者の捜索が厄介すぎる。その治療まで含めると、相当難易度は高いだろう。
「ティフォン様には感謝しかないんだよな。……ゴリ押しに許可を出したって時点で、やっぱり難易度が高すぎる」
本来なら、だが。
どうやらあの灯りの奇跡、火を司る神に願えば授けられるのは確かだが、そこに「敵対者が近くにいると引火して燃え広がる」という特徴がつくのは、それこそ過去に「第一候補」が復活させていたような、ある種土着の地母神系列に属する神々だけらしい。
逆に言えば地母神系の火を司る神に灯りの奇跡を祈った状態で閉じ込め空間(仮称)に引き込まれたり、そもそも生きた歯車で構築された空間に入ったりすると、結構な勢いで燃え広がっていくんだそうだ。
「流石に
まぁ、まともに探索するには、構造と時間がなぁ……。あ、流石に「白紙の地図」も立体構造相手だと上手く機能しなかったのか。ちょっとそんな気はしたけど。
という事で、とりあえず現在は閉じ込め空間(仮称)で儀式場を作っているので、その脱出タイミングにはログインしておいて貰えると助かります、という一文でメールは締めくくられていた。儀式場の同期儀式の時間は、うん、予定通りのログイン時間で間に合う……筈、だな。たぶん。
「……それにしても、何故徹底してエルルとサーニャの事が書いてないのか」
怒られるのはほぼ確定として、怖いんだけど? カバーさん? ねぇ? 何でエルルとサーニャについて一切の言及が無いのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます