第1290話 42枚目:チャレンジ開始
そんな風に話をしながらアクセサリを作り続けていると、ある程度数が揃ったからか、司令部からゲームへ挑戦する人が募られ始めた。
まぁ例によって募られた他にも、司令部から加わってほしいって依頼される人もいるんだけど。もちろん私にも声はかかったが、流石に私が前に出るとエルルとサーニャに怒られるからな。
それに「幸運」というのは基本的に種族が関係ない。基本的に、というのは、やっぱり一部例外はあるって事だからだ。
「なのでルチル、フライリーさん、頑張ってくださいね」
「はーい!」
「ま、周りの人に潰されないように頑張るっす!」
で、その一部例外というのが小動物系を始めとした、大体の場合は小柄な種族だな。フライリーさんこと妖精族も該当する。ちなみに一番「幸運」が高いのは兎族らしいのだが、ルシルは来てないからな。
若干あのクリティカル連発の理由が補強されたが、ともかく。私は変わらずアクセサリ作りを続けながら2人を見送る事となった。とはいえ、流石にジャックポットを出すのは難しいだろうけど。目立つだろうし。
「こういうのは大抵、小当たりを連発する方が総合金額的には大きく勝てるんですよね。大当たり狙いだと、そこまでに費やした金額で下手したらマイナスなので」
「大体そういうものよね。その分だけ大当たりには珍しいとか名前が売れるっていう付加価値がある訳だけど」
「実利を取るならそうなりますよね。プラスが大きい事よりマイナスが小さい事の方が重要ですし」
なんていう夢の無い会話もあったが、運任せだとそうなるんだよな。クレーンゲームとか、技術で何とかなる系統ならともかく。
なお「幸運」を上げるアクセサリは作っているが、素材にも限りがある。だから「幸運」が高くないと無理がありそうなゲームと技術で何とかなるゲームにチームを分けて、技術で何とかなる方はステータスとリアル技術が高い人が向かったようだ。
無限に湧き続けるモンスターを倒してもダメージではあるだろうが、正直誤差だろうしなぁ。痛打を入れるにはやっぱり、ここの神から奪ったリソースそのものである、交換用のコインを回収しないといけないんだろう。
「体力の全てが交換用のコインな訳もないでしょうし。むしろ交換用のコインが枯渇してからが本番って気すらするんですよね」
「激しく同意だわ」
「同じくですね」
流石にここから更に神の力が奪われるって事は無い筈だ。たぶん。恐らく。
後ろに待機している現状、前線の動きを直接見る事は出来ない。が、流石気の利く司令部だ。前線の様子がライブ中継され始めた。なんか個別にゲームの様子を映したりしているようだが、とりあえず全体の状況が分かるやつを見る事にする。
ゲームをしているからと言って周囲を埋め尽くしているモンスターに襲われない、という事は無いようで、普通に襲い掛かられていた。なので現在は敵であるはずの円形雛壇を守る形で防衛戦が展開されている。
「分かってましたけど、すごい勢いで「ジャックポットボーナス」の金額が上がっていきますね」
「これはもしかしなくても、プレイ回数だけじゃなくて、投入金額も加算されてるのかしら」
「普通は採算が合いませんけど、採算が合ってしまうと困るんですよね、今回は……」
「採算が合わなくなるのは「ジャックポット」が出る可能性が、少しでもある場合、の話ですけど」
「それはもうイカサマよ」
「お祭りに出てくる紐籤の屋台を思い出しますねー……」
あれってどうやれば攻略できるんだろうね。札束でも叩きつけて全部いっぺんに引けばいいんだろうか。それはそれでしっかり利益になってるんだろうけど。
当たりの入っていない籤っていうのは割とよくあるが、もちろん実際にやったら詐欺になるから真似しちゃだめだぞ。……流石にそうだと攻略不可能か、こっちもそれなりにアレな手段を使わないといけないから、普通に攻略できる、と、思いたいところなんだけどな。
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