第1108話 39枚目:イベントのお知らせ
という事で、全部で4つあった島を攻略して大陸が見えたころには、リアル10月に突入していた。いやー、イベント期間が終了した途端に神の加護が減衰、もとい元に戻って、島というか「モンスターの『王』」の影響下にいるとだんだん装備や
そして大陸が見えはしたが、上陸は出来ていない。何故かって?
「……まー盛大にその力を振るってくれやがりまして……」
『お嬢、口調』
その沿岸部が、原形を留めないレベルで作り替えられていたからだ。具体的には、あの島と同じくトゲトゲだらけの砦のように。どこぞの世界遺産になった長い城か? こっちの方が高さがあるし、恐らく厚みもあるだろうけど。
そんな訳で、上陸する為にはまずあの砦をどうにかしなければならない。そしてその動力は、うん。例によって例によるのだろう。本当に最低だ。もちろんここまでも展開されていた力場は存在しているので、迂闊に近づけない。
どうやら北側も、形は違えど難易度的には似たようなものだったらしく、「第一候補」が北側に向かう事になった。入れ替わりでこちらに来たのは「第四候補」だ。
「対策さえしっかりしていれば、数が活躍するのはこちらですから、それは妥当なんですが」
『飛び道具で後方からの援護、ぐらいなら大丈夫なんじゃないか?』
何せ北側にいる「モンスターの『王』」は“溶”かす。つまり、ダメージ床や接触によるダメージが入る……数の力にとっては天敵と言っていい相手だからだ。
さて月が替わったという事は、イベントのお知らせが来ているという事だ。今回もどうやら期間が短いらしく、月の頭の土日を越えた月曜日にお知らせが届いていた。
「それにしても、神々からしてもここでの足止めが確定情報とは……」
何の事かというと、ここへ来る前にクランハウスの島でフライリーさん及びマリーと一緒に確認した、イベントのお知らせだ。ちょっと色々ツッコミどころがあって頭を抱えたのだが、とりあえずバックストーリーはこうだった。
モンスターで溢れかえった海を踏破し、大陸を発見する事が出来た召喚者達。途中の島を利用した妨害工作もあったが、それも乗り越えて近い距離にある大陸の2つともを確認する事が出来た。
一旦は祝杯を挙げかけた神々だったが、その上陸にはまた別の障害がある事。その障害がここまでに匹敵するほど、物理的にも難易度的にも高い壁である事を知り、取り急ぎ集まりを開き、その対策を話し合う事にした。
海の上という不安定な場所から、既に備えのしてある陸地への攻撃。平地から山城を攻撃するよりもその難易度は高い。故に何か策が必要だ、と判断した神々は戦争を得意とする神を中心として話し合い、相談し、召喚者へ編み出した対策と共に、託宣を下すのだった――――。
……運営的には、あの島を攻略して大陸を発見するのに1ヵ月かかる、というのが想定通りだった事になる訳だが、それはともかく。
対策ってなんぞ、というのはどうやら船や攻城兵器といったものの生産ボーナス及びダンジョンの攻略報酬に、難易度に応じた威力の弾薬(消耗品)の類が追加される事らしい。
ただしイベント期間は2週間だし、私はうちの子にダンジョン攻略を任せて前線に張り付いている予定だが。例によって領域スキル、あるいはそれ相当の能力を相殺する為だな。
「もはや相手の力による妨害がある、というのが前提条件になっていますからね。……相変わらず、領域スキルの取得条件は判然としませんし」
『してないのにこの状況なのか』
「してないんですよね。どっかで情報を拾い損ねていると思うんですけど、それがどこかすら分からない状態です」
なお「第一候補」にも割と根掘り葉掘り聞いてみたが、「第一候補」が持っている領域スキルは信仰値+特殊な捧げもの+種族特性との事で、他の種族も、恐らく種族特性や神の加護・祝福が深くかかわっている可能性が高い……という話止まりだった。
ただ私の【調律領域】……の元となった【魔力吸収】からの【吸収領域】(の次は【吸引領域】)は私自身にも習得条件が不明だ。そしてこれが竜族にとって一般的かというと、そんな事はないと来た。つまり意味が分からんって事だな。なんで取得できたんだろう。
……あれかな。【魔力練化】(の前は【魔力転化】)に
「【王権領域】は習得条件をティフォン様直々に教えていただきましたが、あれは典型的なほどに種族特性と神の加護でしたからねぇ……」
『……それは他の種族でも、王族に類する血筋が神の領域を訪れられたら取得できるんじゃないか?』
「その「王族に類する血筋」が
『そうか。そう言われればそうだな』
それに神の領域に行くのも割と大変だし。私の時は色々特殊極まる状況だったから。現世に顕現した神様に直接捧げものしてるからな、あの時は。同じ状況にはまずならない、というか、なっちゃダメだろう。
……冷人族あたりはポリアフ様をしっかり信仰してたらいけなくもない気がするが、あちらはあちらで神様自身の力がまだ全快とは言えないからなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます