第1085話 37枚目:探索開始
「――という事で、前々第二皇姉様から応援も出して頂ける事になりましたので、頑張って探索しましょう」
「はい姫さん! 探しものならボクらじゃなくてもっといくらでも手数を増やせる方がいいと思うんだけど!」
「相手が不死族で、この1万年の間快適に引き籠っているだけの結界を看破する必要がある為、数打ちの人形では不可能だそうです。諦めて下さい」
元第7番隊の人達に集まってもらい、こちらも珍しい宝箱を探してイベントダンジョン内部を探索していた彼らに残念なお知らせを通達する。途中、こちらも宝箱の中身というより、探す事が楽しくなっていたらしいサーニャから質問があったが、私も既に確認した事だった。
アキュアマーリさんからの応援として、主に海系の竜族の人達が来てくれる予定になっているんだよな。だから頑張る以外の選択肢が無い。……いや、普通に手数が増える事と気遣いは嬉しいんだけどね。逃げ道が断たれた感の方が強いなって……。
まぁでもやるしかない。これも皇女のお仕事だ。特級戦力、と言わなかったのは、私にしか話が来なかったからだな。
「一応、加護と祝福の強化や、抑制への対抗手段は優先的に回してもらえる予定ですので。今後も神の加護が封じられる可能性が非常に高い以上、いずれにせよ誰かがやらねばなりませんし、やるなら早い方がいい事です」
「それでも他に誰かいなかったの姫さん?」
「事後処理やら航路探索やらで人手が全く足りませんからね。その中で応援を出していただけたという事で、期待値は大変高いと思ってください。……とはいえ、救出された不死族の方から、見付けてほしい方のリストは頂いていますから、この全員を発見できれば良いだけです」
「なるほど、終わりはあるんだな」
まぁエルルからは「性格が問題児だけど能力はある」って聞いてるから、たぶん大丈夫だろう。ちゃんと終わりはある=早く片付ければイベントダンジョン探索に戻れるっていうのも伝えたし。
もちろん私もルイシャンに乗って探索する。今回は海って事で、ルウも参戦だ。あとは飛べるのと空間関係の看破能力を当てにして、ルチル、ルイル、ショーナさんにも声をかけている。
あとは、アキュアマーリさんからの応援で海竜系の人達が来てくれるので、その人たちに船を運んでもらう形で『可愛いは正義』から有志の
「……以前カバーさんが、確か島の数は300をくだらないとか言ってたと思うんですよね。その時は確かまだ北国の大陸を攻略中だった筈ですから、そこから主に東側へ探索可能範囲が広がっている事を考えると……」
っていう事だからだ。本気で取り掛からないと、マジでどれだけかかるか分かったもんじゃない。しかも大小あるとはいえ、島の数だけでそれだからな。点在した離島なんだから移動距離もあるし、不死族なんだから「島ごと存在を隠蔽」とかされている可能性もある。
一応、あの特殊救出対象だった不死族の人に紹介状を書いてもらい、アキュアマーリさんとハイデ様の連名で追加署名してもらって、それを今回探索する全員に持たせてもらったから、一応、身分的な信用という意味の問題はクリアできる状態だ。
……それまでの難易度が高すぎて、それぐらいは一発クリアしておかないと、それこそリアルで何か月かかるかわかったもんじゃないし。
「紹介状さえ見せれば、合流してから現状の説明、協力の依頼はスムーズに行くでしょうが、そもそも、その紹介状を見せるところまで行くのが大変ですからね……」
とりあえず、やれるだけやるしかないんだよな。テンションが下がり気味になってしまうが、この離島群の海図を作るというサブ目標もある。
万が一だが、『バッドエンド』の隠し拠点でも見つかれば大手柄なんだよな。その辺も説明したから、皆がやる気を出してくれることを願おう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます