第1043話 37枚目:厳密探索
案の定そのまま迷路内部を攻略していたらしいエルルに現地で合流し、一緒に行動していた
そうじゃないかなとは思ってたけどやっぱりか。私に適宜休めっていうんならエルルも休まないとダメだろう。
「……お嬢が寝てる間に全部片付いてたら後ろで大人しくしてないかなと……」
「思いっきり逆効果だというのをよく覚えておいてください」
休む必要がある事と疲れていない事は別の問題なんだからね、エルル。
とりあえずエルルにはこの探索が終わったら休んでもらう事にして、探索自体は進めていく事になった。壁の厚みが変わっているかどうかは見た目ではわからず、司令部との連絡もそう頻繁に取れる訳ではない。
という事でどうするかと言えば、総当たりだ。具体的には、壁を攻撃に巻き込みつつの探索である。
「これ移動してるんだか戦闘してるんだか分からないな」
「内部に飽和火力を叩き込んでいいなら話は別なんですけど」
「全面攻撃をすると反動があるでしょうから、これが一番効率的なのは確かですよ」
なので、入り口から他の
出来ればそれまでに見つかってほしいものだけど、と思いながら攻撃範囲を広くとって進んでいく。まぁ、交差点に近い場所だと流石にちょっとは抑えるけどね。他の
……なんて思っていたんだが、特に壁が壊れたりすることなく、現状判明している最奥までたどり着いてしまった。んん?
「これは、天井と床も攻撃範囲に含まないといけなかったんでしょうか」
「いや、十分巻き込まれてただろ」
まぁここから入り口側からの応援と一緒に、挟み撃ちにするんだけどね? 司令部から指示があったルート通りに移動してきたし、周りと歩調を合わせていたから、床がちゃんと攻撃できてたんならどっか一か所ぐらいは壊れて、もとい隠し部屋への通路が出てなきゃおかしいんだけどな。
はて。とソフィーさん達ともども休憩しつつ司令部からの連絡を待っていると、カバーさんが共鳴石の音叉をしまってこちらへ戻ってきた。
「司令部からの連絡によれば、罠という形をとって紛れ込んでいる可能性もあるそうです。もう少し注意しておきます」
「あー……そうか、力技対策だとそうなりますね」
そういう可能性があるらしい。なるほど、確かにありうるか。竜族は基本的に罠の探知や解除は苦手だから。
「まぁでも、そうと分かればそういう風に探せばいい訳で。ニーアさん」
「モンスターが利用しない、もしくは利用しても残っている罠を探せば良いんですね? お任せください!」
……なお、基本的にであって、例外は存在するんだよなこれが。ニーアさんの探知から逃れるのは至難の業だから。解除は別かもしれないが、今回はカバーさんがいるし。
いやー、ほんとニーアさんが小柄で良かったよね。本人には言わないけど。もしニーアさんが普通のサイズだったとしても好感度の高さで「乗り物枠」に入りそうだけど。
カバーさんはその旨も司令部に連絡してくれたらしく、通る通路の変更が知らされたらしい。……なるほど。部屋がありそうな場所、というか、壁の厚みがよく変わる場所には既に目星をつけていたのか。流石司令部。
「しかし、隠し部屋もしくは隠し通路があったとして、
まぁこっちは自分の重量が増していくやつだから、最悪エルルかルウが担ぐとかでフォロー出来るけどさ。
それでも、この特殊な状態異常が積もり積もって一定値を突破したら、僕と名の付くモンスターに変えられるのが確定してるんだ。その前に普通に死に戻る可能性が高い上に、そうなっても中身は先に蘇生するとはいえ、元仲間とは戦いたくないんだよな。
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