第1042話 37枚目:攻略進捗
土曜日の午前中は順当に探索へ費やされ、未踏破領域がまだ少し残っているものの、この分だと順当に通路しかないだろう、という事が判明した。まぁそうだろうな。そんな気がしたし。
残った誤差時間というか、帰り際には迷路型モンスターになる前の巨大モンスターを何体か撃破し、相手のリソースをさらに削っておく。しかし本当に際限なく分離してこっちに来るな。ちょっとこれを撃破し続けるだけでも大丈夫なんじゃないかって思ったじゃないか。
「まぁ実際そっちにかまけていたら、内部に残っているかもしれない要救助対象の人が助けられなくなるかもしれないんだけど」
お昼休みという名のログアウトを挟み、ご飯を食べて時間を合わせて再びログイン。今度一緒なのはソフィーさん達だ。フライリーさんはなんか、午後は用事があるらしい。仕方ないな。リアル優先だ。
とりあえずクランメンバー専用掲示板で最新情報を確認する。内部時間は4倍だから、何か発見があってもおかしくないからね。
「……そう来ますか。確かに、構造が変わらないのは妙だなと思いましたけど」
どうやら司令部からの発表によると、外から見る大きさと、内部を探索したオートマップを突き合せた結果、面積が合わない事が確定したそうだ。つまり、あの形の変わらない広い通路で出来た迷路は、内部構造のほんの一部だったって事だな。
じゃあ残りはどこから向かえばいいのかというと、まずその一部、主に上方向に広がっているのは、迷路型モンスターを補充する為のストックである可能性が高いらしい。つまりこのまま迷路型モンスターを倒し続ければ削れる。
そして横もしくは奥の方向だが、どうやら通路の繋がり方や大きさは変わらないようだが、壁の厚さが刻々と変化しているらしい。そのどこかに隠し部屋がある筈だって事で、現在多くの
「そして下部分は、恐らくその隠し部屋を暴くか、ストックを使い切らせるかでなければ侵入できない可能性が高い、と。……まぁ、今までの事を考えれば妥当でしょうか」
主に北国の大陸で攻略した、あの雪の城とか、監獄型のイベントダンジョンとか、氷の狼とかもそうだったし。……「拉ぎ停める異界の塞王」は妥当なんだが、それが「蝕み毒する異界の喰王」にも通用するのはちょっと不思議だな。仲良し、ではない筈だから、パクったとか?
まぁともあれ、ここまでの情報が揃ったところで特級戦力である私がどこに向かうべきかというと、当然内部探索だ。主に全域デバフに対する耐性って意味で。外は外で楽しそうなんだけどな。わんこそば型の巨大モンスター戦とか。
とはいえ、そちらは火力があれば済む話だ。楽しく戦闘してるところに圧倒的火力で参戦したら、最悪白けてしまうし。
「とりあえずは探索を頑張るとしましょうか。恐らく壁が分厚くなっているところに隠し部屋があるのでしょうから、迷路型モンスターの事を考えると、少しでも多くの
ソフィーさん達もとても張り切っているし、ニーアさんとルウもやる気十分だ。前衛多めなのは元からだし、その方が安定するので問題ない。
……ただなんか、エルルが最前線から戻ってきてないみたいだから、中で合流する感じになるのかな、これは。いや、竜族の『勇者』だから、皆がそろって頼りにするのはとても分かるんだけどね?
ちょっと気を抜くとうっかり休むのを忘れるのがエルルだからな。休ませるために気をつけなきゃいけないとか、普通は逆なんだが……まぁ、エルルだし。
「……まぁ、現地に行って確認してみましょうか」
ちょっと、それもあって竜族から『勇者』が出たことが無かったんじゃないかなぁ……って気もしてるんだよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます