第867話 26枚目:イベント開始
で、イベント開始までにもう一度渡鯨族の人達による船団が到着し、
さて実際にイベントが始まれば、私も引き籠っている場合じゃない。この大陸を探索できる範囲は本来の3分の1だが、それでも結構広いからね。それに戦力を遊ばせている余裕は無いし、私だって現地の人と交流したいのだ。
と言う事で、用意するのは結び方で髪の毛の色が変わるリボンとはめる指によって目の色が変わる指輪、そしてアラーネアさんからプレゼントされたマリー及びフライリーさんとお揃いのナントカ探検隊みたいな服だ。
「え、あの人またお支払いさせてくれなかったんですか?」
「らしいっすよ。ただ、ソフィーさん達と力強く握手してたっすけど」
「貢物は何も言わずに受け取るのが礼儀ですわよ?」
「その通りですがもうちょっと言い方ありませんでしたか、マリー」
なお、その装備一式(私の分)の性能がこちら。
[アイテム:未開地探検服 子供服ver
セット装備(防御+*7・魔防+*6・状態異常耐性+++・地形耐性+++++・姿隠し+*8・観察+++・一部スキル効果+++・付与スキル【全防御力上昇・大】)
耐久度:100%
説明:未開の地を探索する事に特化した服
非常に丈夫であり、周囲の地形からの影響を大幅にカットする効果がある
また一時的な拠点を作りやすくなる効果がある
子供用のサイズで作られている為、身に着けるには特殊なスキルが必要]
…………おかしいな。確かプレイヤーメイドの装備で補正の+が6個以上になるのは種族補正がないとどうにもならないから、6個からはお値段が跳ね上がった筈だし、それが複数あると倍々ゲームどころじゃなかったと思うんだけど。
しかもこの、付与スキルって何。これ確か、なんかどっかで【攻撃力上昇・微】っていうのがついて、とんでもないお祭り騒ぎになってた筈なんだけどな。お値段? 非売品だよ。
何をどうやったのか、一部スキル効果の補正も上がってるし、これを私が着たらちょっとした動く要塞なんじゃ無いのか……?
「まぁ流石に変装用なので、色は赤みがかった黒で普段のイメージとは違うんですけども」
「先輩。なんか付与スキル【魔力自動回復・中】とかあるんすけど」
「こちらは【火属性攻撃上昇・大】でしたわ。分かっておりますわね」
「………………。マリー、火力は加減してくださいね」
「もちろんですわ」
フライリーさんの顔が引きつるのも分かると言うか、平然と「良い装備」って言ってさっさと着れるマリーの方が例外だと思うんだ……。
なお後で聞いたところ、この服を作るにあたって使われたのは、いつかの拠点亀、もとい、ラーヴァタートル・ドラゴンの素材だったらしい。なるほど、通りで防御力に加えて「姿隠し」なんて補正がこんなに高い訳だ。どうやってどこを糸にしたのかはさっぱり分からないけど。
まぁ、うん。性能はひとまず置いておくとして、髪をリボンでおさげ三つ編みにして小麦色に変え、指輪を右手の小指にはめて目の色を暗い緑色に変える。これで大分イメージが変わる筈だ。
「……
「
「なるほど、そうでしたのね」
なので、今回私のパーティは、私、フライリーさん、マリー、ソフィーさん達の
フライリーさんは種族特性上小さいので、探検服はちんまい組のセットだ。ソフィーさん達が保護者枠だな。
「見た目はすげーほのぼのっすね。戦闘力を冷静に考えなければ。私が言えた事じゃねーかも知れないっすけど」
「前衛と後衛のバランスも取れてていいと思いますよ、探索は探索なんですし」
マリーは純後衛だけど、私は魔法も撃てるタンクだし、フライリーさんは回避盾も出来るからな。ソフィーさん達は言わずもがな、物魔で殴れるヒーラーと自衛できる魔法使いだ。
……戦闘力だけを考えたら、むしろこれはマリーのレベリングパーティか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます