第794話 23枚目:探索条件
で、色々やってみた結果。魔法は確定で反射されるし、特殊な効果のある道具(雪玉とか)は結果が出た上で反射される。だが、純粋物理はひび割れを作って平地を広げる形になり、投げつける事でダメージを与える物(お札とか液体火薬の氷とか)は比較的まともなダメージが入る、という事が分かった。
後は、流氷山脈の根元にある平地が拡大すると、流氷山脈に近付けるようになるらしい。船がもうちょっと流氷山脈の近くを行き来していたから。……こちらに残っていた近接戦闘職の
「で、姫さんはまた何をやってるの?」
「元凶の攻略ですね」
「後方で守られていて欲しいんだけどなぁ」
その結果を受けて、サーニャが私に合流だ。現在位置は北国の大陸北側の南端、の、沖の上空となる。私が氷の塊を叩き込んだ場所より高度が低い。
何故ここかと言うと、やっぱり雪雲は大陸にかかっていくらしく、周りから集まってくる速度が一番早いのだ。そしてどうしてサーニャかと言うと、エルルが突入組に向かったのと、もう1つ。
「本当に一気にいっちゃっていいんですか?」
「いいよいいよ。そろそろボクもちゃんとしてるって言うのを見せとかないとね。いい加減なめてかかられるのも面倒だし」
そう、竜合金製の武器を持っているからだ。つまり、私が雪雲に雪玉を投下し、降って来る氷の塊を、武器で弾いて流氷山脈に叩き込む、という訳である。千本ノックかな。ボールが結構な大きさの氷の塊だけど。
流石にひび割れを修復するのが間に合わなくなるのでは、という意見も無くは無かったが、まぁそれはそれで確認しておきたいという結論になって実行が決定された。なので、私もしっかりと雪玉の補充を済ませてきている。
くるくると槍を回しているサーニャはとてもやる気のようなので、これ以上はいくら話をしても同じ事だろう。それならさっさと実行に移って結果を見た方が良いか。
「それでは、いきますよー」
「オッケー!」
と言う訳で雪雲の上へ移動し、雪玉の入った木箱を取り出して、雪雲が補充される速度に合わせてざらざらと雪玉を投下した。
……途端、ドガガガガガ!! と、結構な打撃音が響いてきた。雪雲に遮られて流氷山脈含めて下は見えないのだが、雪玉が投下される事で出来る氷の塊が、片っ端から槍で殴られて流氷山脈に叩き込まれているのだろう。
そこから雪玉を投下しながらしばらく耳を澄ませていると、遠くの方で鈍い音が連続するようになった。どうやら無事に届いたらしい。
「お、掲示板にライブ動画が出てるじゃないですか。これはありがたい」
雪玉を投下する手は止めていないが、流石に音だけで状況を想像するのは限界がある。なので情報を求めて掲示板を開いたところで、流氷山脈の根元辺りをメインにしているライブ動画がある事に気が付いた。
現在進行形の映像では、音で聞こえる通りに氷の塊が叩き込まれ続けている。この勢いなら平地部分が完全に切り離されそうなものだが、どうやら流氷山脈の上の方が次々に崩れ、ひび割れを結構な速度で埋めているらしい。
と言う事は平地が広がると言う事で、サーニャの狙う場所が広がるという事だ。それはつまり。
「良い的以外の何物でもないと。ほぼ全面ひび割れだらけになってますね。しかし、それでも切り離す事を良しとせず、埋めにかかるんですか」
そのせいで、どんどん平地が広がっている。まぁ私も手を止めていないし、サーニャもこの程度なら体力を消費した内には入らないんだろう。疲れたら、サーニャなら素直に言うだろうし。
しかしすごい勢いで平地が広がるな。白いとはいえ氷だから、ところどころ透き通ってはいるんだけど。理屈は分からないが平地が広がる程に近づけるのなら、そうかからないで上陸できるようになるんじゃないか?
「まぁ環境が氷の大地とどっちがマシかは分かりませんし、上陸したことで発動するギミックとかがあるかも知れませんが……」
特にハンマーとかの近接打撃属性の武器を使う
さて、これでイベント最後の土日が楽になる程度に相手を削れればいいんだけど、どうなるかな。
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