第522話 19枚目:イベントのお知らせ
何とかボックスガチャは目玉となっている景品を全部回収する事が出来たし、冠付きアイテムも『アナンシの壺』のまとめにのっている分は、少なくとも植物由来のものは回収できた。もちろんマナの花の属性違いもコンプ済みだ。
一方、外縁部の神定まらぬ領域も再度攻略してみたものの、「大神の祭壇」も「空白の祭壇」も出なかった。……ま、だろうなとは思ったけど。
「しかし、その代わりに出てきたこれは……」
「どう見てもフリアドのタイトルロゴの石像なんすけど……」
「……流石に若干の手抜きを感じざるをえませんね」
で、代わりに出たのが【鑑定☆☆】によれば「大神の異夢」との事で……若干首を傾げたものの、どうやら捧げものとしては最上級らしい。攻略道中はスキル上げにもなる事だし、と、残り時間目一杯を使って攻略しまくった。
という訳で、イベントが終了した。どうやら掲示板などの反応によれば、第三陣の人達もかなり充実した感じの感想が多い印象だったな。あくまで掲示板とかでの印象になるけど。
一応、イベントとしては成功、に、なるのだろう。新人歓迎イベント的にはもちろん、何とかメインストーリー的にも。冷静に考えると結構ヤバかったような気もするが。
「……大きな手札を1つ失ったとは言え、大人しくするとは言っていませんからね……」
そしてイベントが終わったって事は、1月が終わったって事だ。つまり2月が始まったって事で、すなわち次のイベントが始まっている……筈、なのだが。
どうやら運営は、主に2週間イベントのタイミングを月の前半から、真ん中に持って来るようだ。2月に入ったその頭に、次のイベントのお知らせが届いた。
……まぁ確かに、1ヶ月使うイベントだと、途中というか佳境でお知らせが来てたからな。それに、イベントの直後に次のイベントが来ると流石に疲れる。画面越しに操作するゲームでもいい加減しんどいっていうのに、VRMMOだと疲労感が結構無視できない。
「それに加えてちょっとは達成感に浸らせろと言うか、消耗品を補充するタイミングを作ってくれと言うか」
「分かるっす」
フリアドの妙な部分で感じる試行錯誤感はともかく、次のイベントだ。
今回の新人歓迎イベントと言う名のメインストーリーで、最初の大陸に居た「モンスターの『王』」こと「遍く染める異界の僭王」は討伐できた。つまり最初の大陸に残っていた問題は、ほぼ解決したって事だ。
……何でほぼかって言うと、エキドナ様から聞いた情報があるからだ。そうだよ。あの谷底の、封じられた竜都だよ。あれがまだ解決していない。そしてエキドナ様から今回聞いた限り、現代竜族の竜都と連動しての公式イベントになりそうな気配すらするのだ。
「…………。まぁとにかく、次のイベントを確認しましょう。恐らくここからは、北国の大陸のアレコレを進める事に集中する感じになるでしょうし」
冠付きアイテムの種類が種類だったので、とりあえず草原を一面畑兼果樹園にする事で対処する事にして、さっきまで力仕事って事で耕してたところだ。それが一段落付いたので、休憩を兼ねてイベントのお知らせを確認していこう。
さて2月イベントだが、期間は2月8日から21日までの2週間。前半戦と後半戦に分かれる、というのはここまでと同じパターンだ。スタートが1週間ずれてるだけで。
そして具体的な内容だが、どうやらざっくり言うと「雪祭り」という事になるようだ。雪像と雪合戦の2部門に分かれ、前半戦で雪像及び雪合戦の陣地……という名の要塞を作り、後半戦で競うらしい。その説明に何かちょっと引っ掛かるものがあった訳だが、とりあえずバックストーリーを確認してみよう。
新たな召喚者を迎え入れる際に巨大な試練としての亜空間を作る、という目的で全ての神々の力を合わせ、それによって封じ込めた滅びの直接原因の討伐が成功し、神々はその成果に沸いていた。
もちろん世界の外からやってきた存在を、この世界の中で完全に滅ぼす事は不可能だ。しかし他の大きな傷と同様に、大神が抱えて封じるには十分すぎる程に弱らせることが出来た。
しかし、まだ世界の危機が去った訳ではない。神々は未だこの世界の神ならぬ雪に覆われた大陸を思い、こちらへの対処はどうしたものかと考え、話し合い……それなりに長く論じ合った末に、召喚者へと託宣を下すのだった。
つまり、何かしら理由をつけて雪を一掃してみようって事だな。
そしてスキルと種族レベルが上がって自分の進み方を探し始めた第三陣の人達にとっては交流の場でもあり、ここで既存クランに入ったり、或いは新しくクランを立ち上げる流れへの誘導でもあるんだろう。
あと、除雪はそれなりにしていたとは言え、内部時間では4ヵ月が経過している。それだけあれば、元凶が環境の変化に気付いていれば、新しく雪を積もらせ直すぐらいはしているだろう。
「……まぁ、後気になる点と言えば……」
イベント詳細には、雪像と雪合戦の2部門に分かれる、と書いてある。そしてその、どちらもが、前半で作って、後半で競う、と書いてある。
普通に考えれば、雪合戦の方は使っているのが雪なだけのクラン間戦争染みたものになって、雪像の方は和気あいあいとした交流会のようなものになる……のだろう。
が。
「あの
「あー。確かに何か仕掛けてきそうっすね。いつもの後出しで」
なーんか捻ってきそうな気がするんだよな。それも、そっち!? っていうツッコミ不可避な方向で。
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