第418話 17枚目:イベントリザルト
冬休みに入ってからは速攻で課題をやっつけつつ毎日フルログインだ。ちなみにどこかの神様の誕生日を祝う日に運営からは特にイベントもプレゼントも無かった。
ただしボックス様からはあった。今いる私含めたうちの子+カバーさん&フライリーさん&ソフィーさん達のミニぬいぐるみセットとかこんなん最高過ぎるだろ!!
「それも【人化】したバージョンと本来の姿のバージョンと2パターンあるとか最高を越えた最高なんですが?」
「ちっ、ちぃ姫っ、それっ、スクショっ……!」
「ははは。ダメです。外に出した瞬間、何もかもをかなぐり捨てて突撃してくる
「う゛っ。……まぁ、そうですよね。私達の古巣だけでも、すごい事になるのが分かり切ってますし……」
という訳でその2セットは私の部屋に飾る事に。何せ一番ガードが固いから。
そんな事がありつつ、『バッドエンド』の被害者である3つの町の人達の治療と面倒見に駆け回り、それが一段落してからは試練ダンジョンへの挑戦祭りだ。ボックス様の所は、ある程度連続で挑んで納品アイテムを集めてから箱庭を作る方が効率良いからね。
まぁ他にもいくべき試練ダンジョンはあるから、そっちにも行きつつだな。うーん忙しい。これだけやっても“破滅の神々”の管理割合が本当にちょっとずつしか動かないから本当に忙しい。
で。忙しいと、時間が経つのって速いよね。
「よーし、何とか5%を切らせることが出来ましたね。残ってはいますから、どの辺りを担当しているかは早期に突き止めて警戒しなければなりませんが」
12月31日。去年と同じく日付変更線前後2時間の特別ログイン時間があるから、その前までの成果がそんな感じだ。ちなみに“細き目の神々”の管理割合は7%ちょっとなので、こっちもだいぶ頑張った。
連名で
他にも種族特有の神々はいて、その中には“雪衣の神々”も入っているので、最終的なボックス様こと“神秘にして福音”の神の管理割合は2割弱となった。
「……単一の神としてはずば抜けて高いんですけどね……」
できれば3割ぐらい取って堂々の管理割合1位を目指したかった。
とはいえ、流石にここまで来ればメジャーと言っていいだろうから、ある意味目的は達成できたんだけど。特に
そんな結果を見る私が現在どこにいるかと言うと、だな。
「これ、ほんとに来て大丈夫だったのか?」
「周りの気配が多すぎて察知が難しいなぁ……」
と、警戒全開の状態で呟くエルルとサーニャの言葉が示す通り。『スターティア』の中央広場に面した建物の1つに来ていた。3階建てで2階と3階に中央広場を見下ろす形のテラスがある、高級志向の宿屋ってかホテルだ。
何でこんなところに居るかって、それはもちろん運営からのメールが来たからだよ。あの最初の謎メールを改めてカバーさんに見て貰ったら、CMとグッズ以外にも色々盛り込まれてたから。
「要約すると、調整を諦める代わりに運営協力を依頼する、という事ですね。この分だと、それなりの頻度で顔出しを求められるかと」
との事だった。ちなみにその調整とは私の場合主に弱体化の事を示し、最悪キャラ削除まであり得る運営からのテコ入れだ。つまり、ストーリーとイベントの進行に協力的な間は強権を振るわないよ、って事だな。
流石に握手会や1日所属体験会といった、著しく拘束されるものは無い筈だが、全体参加型のイベントに顔を出す事や、イベント景品のモデルになる程度は十分あり得るんだってさ。
……まぁ私としても、明らかに予定外なフラグを立てたり、そもそも竜族っていうのが何かの設定ミスをそのまま引っ張ってるんじゃないかって懸念があったから、「そのまま遊んでいいよ」っていう保証を貰えるのはありがたいけどさ。
「いっやー、俺、大人気! ってか流石に「第三候補」も再現衣装にしたんだ?」
「そうですね。顔出しとなれば、あのシークレットの事も考えるとドレス姿の方がいいでしょうし。アラーネアさんには感謝しかありません」
って事で、ロリな私に合わせた、形はあの第1回イベントの時と同じ、宝石をちりばめた銀色のドレス姿である。……アラーネアさんに依頼しに行ったら、何故か即座に奥から出て来たんだけどね。いつの間に完成してたんだろう。もちろん代金は払ったよ。
それに合わせて【魔力練化】をOFFにすることで、精霊さんも周囲に寄って来るようにしている。少なくとも、見た目は最高に「お姫様」の筈だ。
「……しかし、改めて更新された内容を読んでちょっとぞっとしましたよ。本当に、“破滅の神々”の管理割合を引き下げられて良かった」
「あー、あれか、あれな! ほんとな! っつかだからこそ余計に「第三候補」がメイン信仰してる神様の管理割合が増えたんじゃね? 誰がどー考えてもセーフゾーン担当だろ」
「全くです。いえ、もちろん他の種族を担当する神々が不要と言う訳ではありませんが。それぞれに必要は必要ですが、間違いなくボックス様こと“神秘にして福音”の神が一番汎用性高いでしょうし」
「それなー! 交流場所としてもベストなのが丸わかりなんだよなー!」
後は宝箱とか、交換所とかも含められるんじゃないだろうか。
というのは何故かと言うとだな。1月を丸々使って行われるイベントは、12月の続きだ。だからイベントのお知らせは来なかったんだが、イベントの詳細は更新されていたんだ。
で、そこに、さらっと書いてあった一文がこれ。
『イベント空間の規模、及び新たにやってくるプレイヤーの数が一定値を越えましたので、イベント空間の攻略が完了されるまでの間、全てのプレイヤー及びプレイヤーの関係者はイベント空間の内部にのみログインできます』
つまり、通常空間には行けないって事だな。
『バッドエンド』の暗躍を考えなくていいのはいいんだけど、これで“破滅の神々”の管理割合が多かったら大惨事どころじゃない。ほんと、事前に阻止出来て良かったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます