第340話 16枚目:フラグ確認
流石に私1人で抱えるには問題が大きすぎる、という事でまずは即「第一候補」にウィスパーを飛ばし、同時並行でメールに資料のスクショを添付して送信。最悪を更に下回る半分バグなんじゃないかっていう爆弾を相談した。
……対ヒラニヤークシャ(魚)戦の準備をしているところ、割とガチな絶句をさせてしまったのはすまないと思う。が、流石にちょっとこれは、無視するには理が通り過ぎてるから許してほしい。
ははは。「第一候補」が何秒も唸り声だけを続けるとか初めて聞いたな。カバーさん達ほどでは無いとはいえ、割と決断が早い方なのに。いや、気持ちは大変分かるというかそうなるのを分かって連絡したのは確かだけど。
『……封印の解除に関しては、もしそれが分かっていたとしても実行したであろうから、言い訳の余地は無いであるな……』
『まぁ私も、このヤバさを知っていてもエルルを諦める選択はしないでしょうし、戦犯の誹りは甘んじて受けるつもりです』
『うむ。……だが、しかし。そうか。そこまで理が通るか。通る以上は不可能ではないという事であるし、すなわち可能性としてはそれなり以上に高い、となるが……』
うぬぅぅ……。と再び唸り声に戻る「第一候補」。ほんとにな。お互い分かっててもやらかしたのはまぁロールと本音と趣味とタイミングがあるからお互い様(運営はご愁傷様)として、問題はカウントダウンが進んでるかどうか「確認できない」って事なんだよなぁ……。
空間が揺れるとか分かりやすい変化は無かったし、そもそもどうやって調べればいいのかから手探りだ。仮に確認出来た所で「どうやって止めるか」っていうのはまた別の問題だし。
とりあえず「個人ではどうしようもない」という結論が出た所で、「第一候補」が新たに鍵スレッドを作成してパストダウンさんと私とカバーさんを招待する。他に人は呼ばないのかって? ちょっと危機レベルと比例して機密レベルが高すぎるかな……!
「まさか、月毎のイベントをガン無視する必要があるレベルの爆弾が発覚するとか、普通に想定外なんだよな。ある意味メインストーリーではあるけど」
とりあえずもう一度根拠となるスクリーンショットをスレッドに貼り付けて推測を書き込み、意見を仰ぐ。……うん。流石に軍師と呼ばれてるあの2人でも沈黙が長い。
頭はもちろん痛いが、その沈黙に仮想のものとはいえ胃もキリキリと痛みだしてきた気がしたところで、いくつかの確認が投げられた。
……谷底への侵入制限もドラゴニアン(仮称)による儀式でのリセットも、もう既に話した筈だよな? エルル……に確認はちょっと取れないけど、うん、流石にルチルが弾かれてびっくりしたのと、リスポンキル状態になったのとだからよく覚えてるぞ。
「…………竜族か、それに連なる種族にしか通行できない結界。及び内部状況の初期化。それすなわち、封印が生きていて、かつ、カウントダウンが適宜延長あるいはリセットされているという事、ではないでしょう、か」
……。
…………。
ぽん、と、思わず手を打つ。もちろん重要資料である「託宣/啓示記録兼神器目録」は本棚に戻した上でだ。
「あー……なるほど、そうか。エルルが問答無用で攻撃されたって聞いてたから無意識に敵認定してたけどそうだ。封印の維持を、どういう伝わり方してるかは別として第一目標としてるんなら、そりゃ異物は排除ってなるか」
なるほどなー。これもまた理が通るので「十分に有り得る」だろう。とりあえず順当なメインストーリーである月毎のイベントを放り出して対処する必要は無さそうで一安心ってとこか。別に問題が無くなった訳でもまして解決した訳でも無いから、いつかは動かなきゃいけないんだけど。
しかしびっくりした。本当にどんなボリュームになってるんだ
問題に気付いた時点で無意識に浅くなっていたらしい呼吸が元に戻る。はー、心臓に悪い。いやまぁ神器が行方不明って言うのも十分な爆弾だし、緊急度合いで行けばこっちの方が上なんだけどさ。
「まさか最初の大陸が滅ぶフラグをいつの間にか踏んでたとか本気で笑えない……」
うん。だから、まだこの部屋にはまだ見てない本が残ってるんだけど、ちょっと目を逸らして息を吐かせてほしい。
嫌な予感がするから目を逸らしてるだけだと言われても、そうだけど? って開き直っちゃうぐらいには今のでダメージ入ったんだ。何なら見つけた問題をエルルとサーニャにも秘密にしなきゃいけないって事で更にしんどいんだ。
だからちょっと、隠し部屋の中身の確認って意味だと後少しだけど、ちょっと小休憩を入れさせてほしい。……残ってる本から、まだ問題が出てくる気配がひしひしするんだよ……。
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