幕間:罪系スキルについて ※読み飛ばし可

※質問のあったPK及び罪系スキルについてのメタ時空解説回です

※読み飛ばして頂いてもストーリーへの影響はありません

※勢い全振り&長い事をご了承ください

※ストーリー的な中身はありません。実況と解説がわいわいやってるだけです



















「はい! 質問があったあーんどこの先もあんまり細かい解説が出てこないから回答会を間に挟むよ! そしてその進行はすっかり存在が忘れられてる気がする実況こと「第四候補」と!」

「そこそこ出番はあったものの現在位置がまだまだはるか先な儂、解説を割り振られた「第二候補」でお送りしていくぞい。作者が状況描写面倒とか抜かしおるから、基本的にこの回は会話だけで進むからの」

「ちなみに俺達が選ばれたのは出番が無い的なのもあるけど「一番勝手に喋り続けるから」らしいね。そんなにお喋りか?」

「と言うより、すっかりセットで「実況と解説」になっておるんじゃろ。作者の中では」

「うーん良い事のような悪い事のような。存在を忘れられたりするよりはいいけどなんかギャグ属性が付いてる気がする……!」

「お主は今更じゃろうに」

「そうなの!?」

「それより話を進めていかんとの。PK周りの設定じゃったな?」

「まさかのギャグ属性付与済みとはびっくりだよ!! っていうのは置いとくしかないのか、置いとくしかないんだな? えーとそれについては、作者からこれ貰って来た」

「なんじゃその人間大のフリップと巨大なホワイトボードは」

「分かりやすいようにだってさ。えーまず、『フリーオール・アドバンチュア・オンライン』においてー、そもそも「罪」とはどうやって定義されるのかから! はいフリップどーん!」



1.犯罪行為を行う

2.被害が出る

3.第三者に知られる

4.法の守護役に知られる

5.捕まる

6.事実確認を行う

7.罰の決定・実行



「意外と段階があるんじゃのー」

「基本的にはー、最後まで行ったら罪系スキルが付くらしいよ? といってもこれでもイマイチ分かり辛いから、今まで作中で出て来た件を具体例としてどうなってたのか確認していこう」

「あ、そこでこのホワイトボードを使うんじゃの」


・人間種族プレイヤーがモンスターと間違えて魔物種族プレイヤーをキル

(第20話 2枚目:不穏の種)


「結論から言うとー、この人間種族プレイヤーは無罪! 前科無しの綺麗な体だよ!」

「言い方に棘があるのー。まぁ先程のフリップでいうなれば、2.までで止まったということじゃな?」

「そういう事だね。殺害という犯罪行為で被害者が出てるけど、それは本人達以外、特に住民(NPC)だね。彼らは知らない事だから。知らない事は裁けないってこと。命拾いしたな!」

「まぁ知られた所で、当時は魔物種族に対する当たり自体がキツかったからの。そもそも召喚者は蘇るし、当の人間種族プレイヤーが同じ召喚者プレイヤーだと皆目認識していない事もあって、罪と認定されてもだいぶ軽そうじゃ」


・人間種族プレイヤーが神の啓示を受けて街の中で魔物種族に不意打ちからの戦闘を仕掛けた

(第69話 7枚目:人の街観光ツアー2)


「これは次の話を呼んでもらったら分かる通り、罪系スキルつまり前科がついたよね。ギルティ!」

「2.の「被害」は出ておらんが、他が役満じゃからの。「法の守護役」である警備隊の目の前でやらかしたから6.がすっ飛ばされておるわ」

「現行犯だからね仕方ない。ちなみに被害は出てるよ? 周りのプレイヤーも住民も戦闘に巻き込まれかけてるじゃん。これ、「第三候補」の世話役君が正面から応戦して押さえ込まなきゃ余波で何が壊れててもおかしくないし?」

「なるほど。周囲に無用な恐怖を与えて平穏を脅かす、という実害が出ている、という扱いになるんじゃの」

「難しく言うとそうなるな! ちなみにその被害はお世話係君も出してるけど、こっちは作中で説明された通り「正当防衛」って事で、6.の段階で止まったから無罪!」

「本人の反省度合いも低そうじゃし、最初に戦闘を仕掛けた時の目撃者多数な上に現行犯、これはそこそこ重かったようじゃの」


・プレイヤー同士が合意の上で決闘を行う

(第92話 8枚目:決……闘?)


「まぁ無罪だよね、ゲームなんだしシステムは使ってたし。現実には決闘罪っていう罪があるからやっちゃダメだぞ!」

「神が認めて用意した舞台じゃからの。そもそも1.の犯罪行為に当てはまらんという扱いじゃ。ま、これが有罪じゃったら儂や鬼族が大変な事になってしまうからのー」

「ほんとそれなー」


・自分で出現させたモンスターを他人に押し付ける

(第112話 10枚目:イベント開始)


「うーん、これはなー、ギリギリ無罪なんだよなー」

「ほ? ギリギリということは、場合によっては有罪になるということかの?」

「まぁ大半のゲームでもMPKって言われて、罰は無いけど悪意がある手段として有名なのは確か。でー、この場合は「トラップがあったのは偶然」「本人に処理するつもりが明確にあった」「発動したのは解除しようとして失敗したから」っていう条件がそろってるからー、「悪意が認められない」って事で無罪」

「なるほどの。6.のところで止まった訳じゃ。あの空間の中は基本的にプレイヤーしかおらぬとは言え、通常空間に放り出されれば普通に警備隊がおるし、当然中でそんな事をすれば誰かが言いつけるじゃろうしの」

「そゆこと。ただし二度目は無いって厳重注意を受けてブラックリストには載ったから、実質執行猶予かな。スキルには反映されないだけで」

「そしてもちろん「トラップを自分で用意」したり、「モンスターを処理するつもりが最初から無かった」り、「解除するそぶりも無くわざと発動させた」りしたら、その場合は有罪という事じゃの?」

「そうそうそゆこと! 「モンスターを使っての大規模破壊/殺害」って事になるからね、ギルティだぞ!」


・仕様の穴を突く形でスクリーンショットを撮影、掲示板に掲載

(第151話 10枚目:戦闘経過)


「あっはっはっはっは! うん! 無罪!」

「じゃろうのー」

「そもそも掲示板自体が住民(NPC)には関係ない物だし、その後で説明されてる通り「設定外の相手には見られてない」からな! 罪に問い様がない! 嫌なら「完全に撮影を拒否する」設定にしとけばいいんだよって言われたら反論できない案件!」

「とは言え良いか悪いかで言えば悪いじゃろうし、少なくとも無断で撮影された方からの信頼は下がって警戒は上がるからの。ネチケットあるいはマナー的には止めておいた方が良いじゃろう」


・見えない場所からの暴言

(第186話 11枚目:対処の方法)


「これはなー。「この時点では」無罪」

「なるほど、捕まっておらんからの。4.までで止まっておるということじゃな」

「だなー。ただし捕まったら罰は覚悟しといたほうがいいぞ? もちろんそこからしばらく探される事も、別件で捕まったら余罪追及で罰が追加される事もだ。逃げられると思うなー?」

「まぁその後の別件で捕まってそうじゃが」

「それは言っちゃいけない」


・路上での抗議活動

(第194話 12枚目:プレイヤータスク)


「これはー、「第三候補」の予想と違って有罪だったよ。ギルティ!」

「そうじゃったのか」

「まぁ被害が騒音ぐらいだから罰自体は軽いけどね。ちなみにこの有罪は6.でちゃんとその主義主張の内容まで確認されてからの有罪だから、抗議活動そのものがダメって訳じゃないんだこれが。例えば生臭坊主を訴えたいけど闇に消されそうとかって場合は有効だぞ!」

「消される可能性が高いのはむしろ敬虔が過ぎる信者じゃろうけどの」

「まぁその場合でもちゃんとした場所に引きずり出せば安全を確保してくれるのが“天秤にして断罪”の神だから」

「ここでは省略させてもらうが、この後に続いた「似たような騒ぎ」は大体同じように軽くも有罪となっておるぞい。その途中で、暴言の発言者も余罪追及でぽろっと零してきっちり罰を追加されておったようじゃ」

「悪い事はするもんじゃないな!」


・街中での大規模戦闘、破壊行為

(第203話 12枚目:大転換)


「はい、ギルティ!!」

「ギルティじゃの。むしろこれが罪でなければ何が罪なのかと言う程の大犯罪じゃ」

「これはもー言い訳のしようが無いよね。強いて言うなら「第一候補」が“天秤にして断罪”の神に直接チクった事とー、前からマークされてたって事で、神にまでその罰が及んだっていうのがレアケースかな?」

「罪状としては主だったものだけで、殺人、器物損壊、職務妨害じゃの。こそこそ火事場泥棒をしていたものは窃盗も追加じゃ。しかしどこにでもその手の奴はおるんじゃのう」

「そもそも元凶と狂信者にのせられて軽犯罪を繰り返してた奴らだしなぁ。もちろん渡鯨族側は「正当防衛」って事で原則お咎めなし。原則なのはまぁ、うん、こう、あんまりにも私情が入ってやり過ぎちゃったら、ね?」

「恨んでも楽しんでもダメということじゃな。まぁそれでも、仕掛けた側よりは軽いじゃろうが」

「そゆことだな! ちなみに仕掛けた側でも防衛に徹してたり、手加減して怪我させないようにしてたりしたらその分だけ情状酌量が付くよ。襲撃側を裏切って情報をリークしたりしても減刑されたってさ。今回はいなかったみたいだけど」

「ただし、いくらか軽くなるだけで、罪は罪じゃ。そもそもそれは本当に正しい事か、ちゃんと自分で考えて判断せんとな」


・重要情報の窃盗

(第207話 12枚目:黒幕の影)


「これはシンプルにギルティ! ……と、言いたいんだけど……」

「あー、そうじゃの。4.までで止まっておるから、罰が執行されていない。つまり、スキル上は無罪なんじゃの?」

「そーゆーことなんだよなぁー……。ちなみに『フリーオール・アドバンチュア・オンライン』には原則的に時効は無いよ。もちろんちょっとしたことなら「そんな昔のことを言わなくても」っていう形で減刑がつくけど、これは物が物だからたぶん永久に追われ続ける」

「まぁ捕まったとしても、6.でまた上手く逃げそうな気がするのう」

「あ、そこは多分ダイジョブ。ほら、物が物だから。“天秤にして断罪”の神に直接お伺いたてればオッケー。隠し事できない」

「でも実行に関わっておらず、「盗まれたものとは知りませんでした」とか言い張って本人もそれを信じていたらどうじゃ?」

「うわぁ。認めたくないけど無罪になる可能性が高いかなそれは! そして更に認めたくないけど、その後の妨害(第233話 13枚目:大局痛撃)もたぶん同じ感じで、実行犯以外は罪に問えない!」

「まぁ「そういう話はしたけどまさか実行するとは思わなかった」とか言われたら終わりじゃからのー。トカゲの尻尾切りとはよく言った物じゃ」


・同意なしに生贄として儀式に組み込む

(第245話 13枚目:儀式島脱出)


「残念ながらー、無罪。残念! ながら! 無罪!!」

「無罪とは流石に驚きなんじゃが?」

「いや、罪は罪なんだよ? 殺人だからね。完全に不意打ちで殺しに来てるからね。被害者多数で犠牲者多数だから、罪は罪なんだよ???」

「あー……捕まらないと罰が執行できないんじゃの。ここまでのものと同じく、スキル上は無罪、と言う訳じゃな」

「そう! いう! こと!!! ちなみに邪神に関する儀式に関しては別枠で無罪。信仰の自由だからね。儀式をする「だけ」なら犯罪じゃ無いんだよ。まぁ邪神がなんで邪神かっていうと悉く生贄が必要だからなんだけど!!」

「なるほど、生贄無しで儀式をやって、実行者が神からペナルティ食らうだけなら別に罪でも何でもないんじゃの。要するに手の込んだ自殺じゃし」

「ちなみに『フリーオール・アドバンチュア・オンライン』での自殺は、何の理由もなくふと思い立って死のうと思った場合は本人の自由。それが思考に干渉されて誘導されてたら干渉、誘導した奴の罪って扱い。だから、信仰心から自ら望んで自分を生贄にするのはギリ無罪なんだよな」

「まぁ普通死者は裁けんからの」


・プレイヤーからの依頼で状態異常の解除を目的として召喚者を大量に殺害

(第252話 13枚目:事後処理)


「さてこれがある意味本題な訳だけどー」

「まぁこれが罪になるのかどうかというのが元々の質問じゃからの」

「結論から言うと、無罪!」

「これもまぁ、色々な条件が重なってのことじゃな。具体的には「確実に本人の意思確認が出来ず、時間経過で悪化していく状態異常」であり、「順当な手順ではほぼ確実に収束できない規模の被害」が出ており、「同じ症状であったプレイヤーからの依頼」で、なおかつ「被害者達が殺害ではなく治療と認識している」事から無罪となっておるだけじゃ」

「そうなんだよなー。だから例えば乗員の中に、奇跡的に寄生を免れていてー、かつ貴重なアイテムを預かったとかで死にたくなくてー、でも逃げ場所が無くて巻き込まれてー、そのアイテムをロストしちゃった! とかいうやつが居たら、訴えたら勝てるぞ」

「ま、あの状況でそんな事を言いだすプレイヤーは流石におらぬようじゃったがの。そもそも、依頼したのが『本の虫』という時点でその妥当性は誰しも分かっておるわい」

「あっはっは! 寄生を免れたって時点でどんな奇跡だよって惨事だったのは間違いない! ちなみに『本の虫』から貰った資料だと、後で確認したら寄生されてなかった例外はいなかったらしいな。うん、今後も無罪確定!」

「ちなみに、住民が巻き込まれておった場合はどうなるんじゃ?」

「んー、微妙かな。その遺族が納得できるかどうかがメイン? ほら、あの「手遅れ」呼びされてたデビルフィッシュがいたじゃん。あれと同じ扱いなら助けようがなかったって事で無罪。でもー、間に合ったのに助ける手間を惜しんだってなったら有罪」

「なるほどのー。まぁ『本の虫』がその辺りはフォローしておるから、プレイヤー以外は魚一尾たりとも巻き込まれておらんかったようじゃが」

「あれ、冷静に考えたら船を動かしてる人たちも全員回収して逃がしたんだろ? 組織力パないな」

「検証班じゃからの」


・クランの多重登録/裏切り

(第256話 13枚目:嵐の原因)


「あー、これな。作中でちらっと説明されてるけど、ギルティ。結構罪としては重かったらしいよ?」

「そもそもクランという仕組みが神によるものじゃからの。ヒトによるものなら魔物種族お断りまでにはならんわ」

「まーそれも魔物種族の神が復活してー、人間贔屓の神にペナルティが入ってーってして以降改善はされたみたいだけどな。あっはっは! ざまぁ! 俺あんまり関係なかったけど!」

「この件で特殊なのは、「第一候補」が“天秤にして断罪”の神を喚び出して、直接審判をして貰った事じゃろう。6.がすっ飛ばされた上で、7.の罪が、牢屋に入ること以外で課せられたようじゃ」

「具体的に言うと復興の手伝いだよね。労働力。そこで当分時間を食うんだから、当然だけど次の大陸への到着は遅れに遅れる。あと、他のクランにも入り辛い。信用がガタ落ちだからなー」

「ま、重複して所属しておったクランの内、どれか1つを選んで他から抜けるという形になるからの。信用してほしければ、今度こそ一所懸命にやるしかないという事じゃ」

「ちなみに、全部のクランから抜けてソロの根無し草でもいいぞ! まぁ今回それを選んだ奴はいなかったみたいだけど。人間種族でそれだとやっぱきついのかね?」

「キツいのではなかろうかの? 少なくとも最前線に向かうにはかなり苦労しそうじゃ。……まぁ、どう頑張っても儂ら程では無かろうけどものう」

「それなー!」



「はい! とりあえずここまでで出て来たのはこんな感じかな! 結構かかった!」

「後は、そうじゃの。「レッドネーム」というのは罪系スキルを持っている時の効果の1つじゃ。課金アイテムで相手の名前が頭上に見えるようになる物があるが、それが無くても名前が浮かび上がって見えて、かつ名前が罪の重さに応じて赤くなるらしいの」

「と言ってもー、名前自体が浮いてる訳じゃないから、本人っていうか本体を認識する必要はあるんだけどな。たぶんその内誤魔化すスキルが発見されるんじゃないか? そういうフラグが立ってたし」

「クカカ、ネタバレは禁止じゃぞい」

「知ってるー。あー! 出番まだかなー!」

「儂にそれを言うかの?」



※終われ※

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る