茶会
それを横目に、
風が吹けば、木々の青や野原の緑が、うねりを見せる。
小さな円卓は、元からそこにあったかのように、何にも動じず、孤立する。
円卓を覆うクロースは、古色を帯び、
ぽつんと置かれた二杯のティーカップだけが、茶会を飾り、狐色の紅茶は、いっぱいに注がれた。
”諸行無常”。
一見、”パンタ-レイ”とイコールで結ばれているようにも思えるが、地中では、異なった根が、支えを果たしている。
しかし、その様を見たものはいない。
皿の角砂糖へ、蟻が列を成している。
男はその狂いようから、神々の手により囚われた。腰かけた椅子から、手を伸ばす。
「君とまた、話ができてうれしいよ」
音もなく、ティーカップを置いた。
「なんだか、懐かしい気分だ」
向かいの椅子に、マネキンが俯いている。
「わかるよ。見ていて、つらかっただろう。でも、きっと意味があったと思うんだ」
辺りを見回す。森が赤を帯びていた。
「――幕は閉ざされた。安心して」
静寂――。
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