「ちょっと話があるんですが、いいですか？」

「話ってなに？」

「ここではちょっと。ゼミが終わったら……」

ゼミが終わると女の子は俺に手招きをし、そして歩き出した。

どうやらついてこいと言っているようだ。

俺はついていった。

けっこうな距離を歩いた後に、女の子は足を止めた。

第三校舎の裏。

人気の全くないところだ。

そこで女の子は俺に向き直った、

「話って、なに？」

女の子は俺をじっと見つめると言った。

「好きです。わたしと付き合ってください」

俺はびっくりした。

彼女いない歴イコール年齢の俺は、女の子から告白されたことなんてなかったからだ。

ちなみに女の子に告白したことは、高校時代に一度やったことがあるが、その結果は悲惨なものだった。

断られた上に、その子に俺が告白したことをまわりに面白おかしく言いふらされたからだ。

おかげで卒業するまでに数人からずっと毎日からかわれる羽目になってしまった。

そのときのことが頭をよぎったが、状況から言えば今は俺が告白されている立場だ。

いわば逆の立場だ。

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