第4章 第3話

バトルロワイヤルでは即席でも8人パーティーを作って参加するというのが鉄則らしく、

Seregranceと2人パーティーで参加した結果、開始早々集中砲火を浴びることになった。


飛びぬけて弱そうな相手がいれば先に潰しておく。そりゃそうだ。

ただでさえ2人パーティーと圧倒的にメンバーが少ないうえ、

1人はこんな戦績で、2人揃って初心者装備のままなのだ。


その考えは理解できる。だからこそ予想もできる。

このバトルロワイヤルは最初から全力で戦うと決めていた。


闘技場に入ると同時にSeregranceと並んで闘技場のど真ん中に陣取る。

下手に壁際に陣取ってしまうと、弓で延々と撃たれるという面倒な状況になる可能性もある。

ならば、隙だらけだと思わせて近距離戦を仕掛けてくれる方が対処に困らない。



開始と同時に連携も無く斬りかかって来る相手を片っ端から返り討ちにしていく。

俺は+50のメイス。Seregranceは+45の槍だ。


序盤の猛攻は、ある程度ダメージを貰うのも覚悟で56人の敵プレイヤーを減らすことに専念する。

クリティカルによる硬直や眩暈は貰わないように細心の注意を払いつつ、

背後からのどうしても躱せない攻撃は捨てる。

正面や左右の攻撃は、基本的に相打ちを狙えば防御されづらい。


全体の2割強、13人を早々に仕留めた辺りで、闘技場の空気が若干変わり始める。

闇雲に突っこんだ連中が全て一撃で返り討ちにあっていた。何か様子がおかしいと。


闘技場の外壁がせり出し、戦闘可能なエリアが狭まると共に

外壁周辺で小競り合いしていたプレイヤーも、闘技場の中心に注目を始めていた。

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