第39話
リゼが探査魔法を使っているとはいえ俺も警戒は怠らず歩き続け、結局湖畔を一周してしまった。
日も大分高くなり、朝というよりは昼という表現が正しい時間帯になった。
「魔物、居なかったな」
「うーん、探査魔法で周辺5㎞ぐらいは探してたけど居ないみたい」
「リゼの探査魔法ってどういう情報までわかるんだ?」
「かなり大雑把だけど、10㎝四方以上の物なら形ぐらいまでは把握できるよ。色は流石にわからないけど」
「小さいものは探知できない感じか。まぁ、今回の魔物は人型になるぐらい大きいみたいだし探査魔法に引っかからなかったということは本当に居ないんだろうな」
「うん。人型と不定形の物に特に気を付けてたけど、居るのはせいぜい狼とか熊とかそこら辺かな」
「……人里近い割には危ないなそれ」
ここ平素は結構な人が訪れる行楽地だろ。大丈夫か。
「でもそれらに襲われてもヘインが助けてくれるでしょ?」
「冗談。一人で平気だろ」
「えぇー、私か弱いお嬢様だから戦えないし怖いから守って欲しいな」
「お嬢様以外合ってないぞお嬢様」
「もう、意気地なし」
さて、茶番はこれぐらいにしておくか。
「……湖の中に、生き物が居ないな」
「……うん」
師匠にリゼとしごかれてた森にも湖があった。そこでよく釣りをしたりしたもんだが、
こういう湖では魚が水面から跳ねる音が聞こえるものだ。
しかし、この湖からは一切聞こえてこない。
湖面をのぞき込んでも、魚が居る気配もない。小石を投げ入れると餌と間違えた魚が群がるものだがそれもない。
おかしい。ここは釣りの名所でもあると聞いている。
リゼも流石に気付いていたようだ。
「私の探査魔法は水中はわからないから、居るなら……湖の中だろうね」
「まいったな……水中の捜索なんてできないぞ」
「いっその事凍らせちゃう?」
「凍らせたところでなあ、この大きさの湖なんて持って帰れないだろ」
俺達二人が協力すればこの湖だろうと凍らせることは出来るだろう。だが、それで解決するかというと微妙だ。
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