赤い薔薇

赤く小さい薔薇がありました

見る人を、私を楽しませてくれました

だって、だって

行きも帰りも出会い別れて家族な気分


それなのに、次の日には七分咲きの薔薇はありませんでした

白く細い枝が残るだけ

私は知っていました

家の人間が刈り取り、居間に飾るのを

植木なのに

四六時中、水につけて束の間の美しさを愛でている

ああ、枝に、あのままだったら長く長く生きていたのに


ああ、枯れるよりも辛い

私が辛い

私の幸せが他人の幸せになるなんて

ああ、許せない、許せない

殺してやろうよ、赤い薔薇を折ったように

そう思いながら、白い枝を撫でていた

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