さびしがりやのうた

寂しがり屋は言いました

世界で一人だけなのだ

寂しがり屋は言いました

人は独りと慰められるのだ

寂しがり屋は微笑みました

心臓が、ねっとりと泥に侵されていると

寂しがり屋は泣きそうでした

何を言っても何をしてもむなしいと


寂しがり屋が泣きそうでした

何をするにも辛くて

何か悪いこともできない、と


寂しがり屋は笑いました

さようなら、と席を立ち

聞いてくれてありがとう

君の中に、しこりを残してごめんね


寂しがり屋は去って行きました

僕は何もできませんでした

物悲しい背中が夕日に消えていく

そのまま消えてしまえばいいのに、と

僕は思いました

そうしたら寂しくないのに、と

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