第36話 ローレンシア歓喜祭まであと70日(9月21日)

 ジアースは朝起きて携帯を見た。ノルワーからメールが来ていた。話がある午前中に来てくれと書いてあった。

 ジアースはノルワーの部屋に行った。

ノルワー:ジアースよ。昨日の件でお礼が言いたい。

ジアース:サハリンのことか?

ノルワー:そうだ。ガイ様は大変満足であられた。

ジアース:とういことは、ガイ様とサハリンはうまくいってると。

ノルワー:不満か。

ジアース:いや、私のそうなることを考えている。

ノルワー:そうか。しかし、ジアースよ。よくサハリンを手放す気になったな。

ジアース:いえ、今の自分はミュウしか頭に無い。

ノルワー:ジアースも変わったものだ。

ジアース:それはノルワーも同じではないか。

ノルワー:しかし、今回のクイズ大会の件もそうだが、正直見事だ。

ジアース:いえ、歓喜祭はまだ余興の段階だ。

ノルワー:しかし、国民がいっきに盛り上がった。

ジアース:確かに国民は盛り上がった。しかし、海外はまだだ。

ノルワー:ジアースよ。ずいぶん欲張るなあ。

ジアース:世界を見ればそうなる。

ノルワー:ジアースは世界だけではないだろう。宇宙も視野に入れていないか?地球の件といい。

ジアース:もちろん。しかし、グリーン号は1往復しかできなかったのは残念だ。あのような宇宙船は見たことない。

ノルワー:しかし、よく、地球へ行って帰ってきたものよ。

ジアース:だが、あのような宇宙船があるということは、宇宙には、それだけの技術があり、いつエメラル星に来てもおかしくないということになる。

ノルワー:まあ、その話はでかすぎる。が、ジアースの許容範囲とするなら想像を絶する。

ジアース:しかし、このローレンシア王国も課題が多いが、実に楽しい世界だ。

ノルワー:で、話は移って、インターナショナルマーケットの件だが、シンやコユウジを歓喜祭で使ったらインターナショナルマーケットが進まないではないか。

ジアース:いえ、歓喜祭とインターナショナルマーケットの両方をやらせています。人材なら歓喜祭で発掘できるはずだ。それに、インターナショナルマーケットは時間が決まったいない。

ノルワー:確かに、時間は決まっていないが、来年になりそうなのはわかっている。日にちを決めないとダラダラいくのではないか?

ジアース:いえ、今はインターナショナルマーケットはカイザー殿とノルワーは忙しい。コユウジは勉強不足、シンはこの国に着てから日が浅い。私は掛け持ちをしてこの有様。だが、歓喜祭をきっかけにインターナショナルマーケットも勧めていこうと思っている。歓喜祭のツアー企画にミミとハルという者が加わる。その2人にもインターナショナルマーケットをやらせるつもりだ。

ノルワー:なるほど。ミミとハルか。

ジアース:ハルをご存知で。

ノルワー:ああ、私の知り合いの娘だ。非常に頭の切れる女性だ。

ジアース:世の中は広いようで狭い。

ノルワー:しかし、ジアースはインターナショナルマーケットのことも考えているようで安心したぞ。確かにインターナショナルマーケットは万全の体制でいきたいものだ。

ジアース:で、シンはツアー企画をやりながら他国との連携を図らせるつもりです。

ノルワー:しかし、ジアースは一体何人分の仕事を一度にこなすのかが考えられないほど鮮やかだ。

ジアース:しかし、ノルワーとゆっくり話をするのも悪くないよ。

ノルワー:私もだ。

ジアース:では、今日は他を回らなければならないので、失礼します。

 と、ジアースはノルワーとの話を終え、ミュウの部屋に戻った。

ジアース:ミュウ。歓喜祭は順調か?

ミュウ:うん。

ジアース:で、ミュウ。歓喜祭に情報発信機関部門を作ることになった。どう思う?

ミュウ:その部門の仕事の内容は?

ジアース:まず、歓喜祭専門部門のホームページを作る。また、歓喜祭に関する雑誌もそうだ。人材募集の情報は王宮のホームページではなくここでやる。

ミュウ:なるほどね。で、適役は?

ジアース:サハリンは無理か?

サハリン:私はそんな技術は持っていないよ。ちょっと無理っぽい。

ミュウ:意外とノルワーが適役だったりして。

ジアース:ノルワーか。俺の下で働く気はないだろう。

ミュウ:じゃあ、誰を持ってくる?

ジアース:一応、王宮のホームページに人材募集したが、その中から選ぶしかなさそうだなあ。

 と、ジアースはメールボックスを見た。人材募集に申し込んでいたものは10人いた。

ミュウ:結構いるね。

ジアース:10人か。今日の昼に空いているか返事のメールをしよう。

ミュウ:それは急すぎない?

ジアース:歓喜祭は急な連絡で働けるものではなくてはならない。だからいいのだ。

 と、ジアースはメールを10人に送った。10分後、一人からメールが来た。

ミュウ:意外と来るもんだね。

ジアース:では、返信するか。今日の午後1時に来てくれと。

 そして、返信したらメールが返ってきた。

ジアース:ミュウ。わかったって。

ミュウ:ジアース。一歩前進ね。

ジアース:では、昼間では主張大会の論文での読むか。



 昼になった。ジアースはミュウと王宮の食堂で食事を取り、ミュウは自分のやることを、ジアースは情報発信機関の面接の前にシンの所へ行った。

ジアース:シンよ。どうだ、ツアー企画は順調か。

シン:はい。只今、国内のホテル、旅館にメールを送りました。

ジアース:そこにいるのはハルか?

ハル:はい。今日から働かさせていただいています。

ジアース:ハルよ。ツアー企画で一番肝心なことは?

ハル:旅行者が安心して行動し、計画通りに動けるようにすることです。

ジアース:さすがだ。ハルはよくわかっている。これからもよろしく頼むぞ。

ハル:はい。

ジアース:で、シンよ。後のやることはわかっているか?

シン:はい。次はツアーパックの中に歓喜祭のイベント入れて、国内の旅行者、国外の旅行者に手配することです。

ジアース:で、あとは?

シン:歓喜祭の情報もセットで行なおうと思っています。

ジアース:そうか・・・・・・。シンよ。実は、歓喜祭の情報発信部門というものを作ろうと思ってな。

シン:ということは、私が考えているのは、それではありませんか?

ジアース:そうだ。・・・・・・。今、思ったのだが、シンのところで兼任してやるか?

シン:はい。ですが人数は必要です。

ジアース:では、情報発信部門のメンバーをツアー企画部門に加えよう。

シン:ジアース様。ややこしくならないように、私たちの部門の名前を情報企画部門にしてはどうですか?

ジアース:それはいい。そうしてくれ。

シン:はい。

ジアース:では、私はここを離れる。

 と、ジアースは今日、面接する予定のものが待ち合わせで待っていたので、そこへ行った。

ジアース:待たせてすまなかった。

ジョージ:始めまして。私はジョージといいます。

ジアース:よく来てくれた。ジョージは何が得意か?

ジョージ:インターネットと企画です。

ジアース:なるほど。では、ジョージを採用しよう。

ジョージ:え?もう採用ですか?

ジアース:そうだ。情報企画部門で働いてもらう。

ジョージ:ありがとうございます。

ジアース:で、詳細はシンの所へ行って聞いてくれ。

ジョージ:わかりました。

 ジョージはシンの所へ行った。ジアースはミュウのところへ戻った。

ジアース:ミュウよ。あとはメールは来ていないか?

ミュウ:まだよ。代わりにシンからメールが来ている。

ジアース:なになに。

 と、ジアースはシンからのメールを見た。シンは情報企画部門の中で、国内地理情報統括部と海外契約部門の2つを作ると書いてあった。

ジアース:うーん。これを見ると、シンは歓喜祭以外のこともやるつもりでいるな。大企業計画を考えているだけの事はあるが、ちと問題だなあ。

ミュウ:どういうこと?

ジアース:いや、国内地理情報運営統括部は名前から見れば、国内にあるものを全部使いたがっているのがわかる。

ミュウ:そうなの?

ジアース:シンのこれは、歓喜祭だけでの動きではない。インターナショナルマーケットや、その他のものも視野に入っている。

ミュウ:ふーん。

ジアース:これは、シンは暴走するかもしれんな。

 と、ここで、シンから携帯で連絡が来た。

ジアース:私だが。

シン:ジアース様。シンです。いろいろ可能性を考えているのですが、何しろ人数が要ります。しかも、手っ取り早く行なうには、国内にある旅行会社に我々の企画したツアーのものを取引させてはいかがかと。

ジアース:なるほど。そういう事か。私はシンは何でも自分でやって無茶をするのではないかと思った。心よ。何か思い当たったことがあれば、今回のように連絡もしくはメールをくれ。

シン:わかりました。あと、人数不足に関しては、私で集めるのは気が引けますが・・・・・・・。

ジアース:わかった。明日の王国新聞で募集しよう。ネットとは違って多くのものが見る。

シン:私としては、旅行業経験者、もしくはデザイナー兼プログラマーが必要と思っています。まずは国内を充実させて、海外へ打ち出すつもりです。スピークさんとも連携をとって、海外の国家機密をうごかそうと思います。

ジアース:わかった。とにかく人材不足なのだな。それは私に任せろ。

シン:はい。では、失礼します。

 と、シンとの会話は終わった。

ミュウ:ジアース。シンはどうだった?

ジアース:思ったより暴走する感じではないようだ。

ミュウ:で、今は歓喜祭は今の進行具合で進めていいよね。

ジアース:ああ。で、これから大臣らと会議を開くが、ミュウも来てくれ。

ミュウ:もちろん。



 と、ジアースとミュウは大臣の会議室に行った。ジアース達は会議の途中から入った。しかし、大臣たちの雰囲気はよくなかった。

ザバン:おお。ジアースよ。来たか。

ジアース:ザバン様。みなさん。どうしました?元気が無いのでは。

カイザー:いや、カソンはシンを認めないとの報告を受けましたので。

ジアース:うーん。ザバン様。おそらくカソンは現状認識ができていないのでは?

ザバン:そうだ。しかも、カソンは何もわかっていない感じだ。

ガイ:父上。アローンへも交渉に行くべきではありませんか?

ザバン:いや、アローンとは話をしても聞いているだけで終わるだろう。

ジアース:しかし、カソンには柔と剛と両方で我々はやっています。だが、時間はかかると思って前に進むしかないと思っています。

ザバン:確かにそうだ。ところでジアースよ。クイズ大会の予選は見事だった。

ジアース:ありがとうございます。ですが、まだ、始まったばかりです。

カイザー:ですが、盛り上がってきています。

ジアース:次の場所、ゴンザルでは更に面白くします。

ザバン:ところで話は変わって、景気回復の話をする。景気回復には新たな開発が見込める分野はロボットとバイオテクノロジーだ。そういう点では歓喜祭の博覧会は的を得ている。ロボットの増産で製造業、バイオテクノロジーでは、農業、医療に新たな需要が生まれてくる。後、乗用車では飛行船の開発を行なっている。コンバットよ。そうだな。

コンバット:はい。

ザバン:で、ジアースもそろった。これからの各省庁の新たな方針を言って欲しい。まずは防衛庁のトール。

トール:はい。我々防衛庁では、無人軍隊を作っています。ロボットによる軍隊です。

ザバン:次は治安省のサム。

サム:はい。我々は町には監視カメラが必要と思っています。何かあったときは、それが証拠となるからです。

ザバン:わかった。次は外務省のテルル。

テルル:はい。私たちはシンの件と歓喜祭の件とインターナショナルマーケットの件で海外との交渉に当たっています。国家レベル、企業レベル、民衆レベルで行なっています。あと、新たに宗教レベルでの戦略も欲しいところですが、それはこれからです。

ザバン:わかった。次は経済財務省のデバロ。

デバロ:はい。クイズ大会での利益による税収は、思ったよりありました。ジアース殿、ガイ様、サハリン、グリス、アルスなどの働きによるものと見ています。

ザバン:わかった。次は教育大臣のラバンバ。

ラバンバ:はい。今回の歓喜祭で、本、特に学問書の売れ行きが凄いです。国民が更に勉学に励んでいるのは、歓喜祭のおかげです。

ザバン:わかった。次は厚生省のメディ。

メディ:はい。我々厚生省では、がん細胞のみを壊すバイオチップについて研究中です。また、エイズもエイズの抗体がある者が人類にいますので、その者の血液からワクチンを作れば、エイズは克服できます。

ザバン:わかった。次は交通省のネル。

ネル:はい。歓喜祭用に交通機関の増発を行なっています。

ザバン:わかった。次は環境省のエコー。

エコー:はい。バイオテクノロジー、特に微生物を使った汚染廃棄物処理、更なるリサイクルを目指しています。

ザバン:わかった。次は労働省のワルク。

ワルク:はい。我が国の雇用は歓喜祭では、一時的に延びますが、その後はなんとも言えません。

ザバン:ワルクよ。シンの大企業計画は聞いたか?

ワルク:はい。かなり現実的なものと見ています。

ザバン:そうなのだ。期待してもいいが、我々も頑張る必要がある。では、次は技術開発省のコンバット。

コンバット:はい。先程、ザバン様が言われた通り、ロボットの研究を行なっています。また、飛行船や、宇宙船の研究も行なっています。今の技術ではグリーン号程のものは作れませんが、近いうちに近い星へ行くのは夢ではありません。

ザバン:わかった。次は通信省のメイル。

メイル:はい。今は歓喜祭がメインとなっております。歓喜祭を成功させるべく、IT,TV,ラジオなどの分野で活発に動いています。

ザバン:では、これからの話題はまずは、シンの大企業計画の件である。これは非常に面白いもので、我々の国力はおろか、世界中の民がお金に困らなくなるものである。これに関して皆はどう思う?

ラバンバ:私としましては、あるもの全てを有効に使うという理念が生かされていると思っています。

ザバン:そこで、シンの考えていることは今だけではなく先のことも考えてある。皆よ。思うところがあればシンに聞いてみよ。

カイザー:では、ザバン様。次から大臣級の会議には、シンも参加させたらいかがでしょう。

ザバン:皆はどう思う?

ノルワー:賛成です。

ワルク:で、参加させるからには、なにかの肩書きをつけたいですね。

コンバット:国家戦略大臣というのはどうでしょう。

インカ:いい名前ですな。

ザバン:では、シンは本日をもって、国家戦略大臣に任命するが反対のものはいないか?

 反対のものはいなかった。

カイザー:では、今回の会議は終了する。皆、ご苦労であった。

 と、大臣らは解散した。

 ジアースとミュウは自分の部屋に行った。

ミュウ:しかし、シンは凄い出世ね。

ジアース:まあ、あれだけの考えを持ったものなのだ。当然だろう。

 と、そこにグリスからの連絡が来た。

グリス:ジアース様。次のゴンザルのクイズ大会は、町を使いませんか?

ジアース:町?

グリス:はい。クイズを町中にばら撒くのです。

ジアース:わかった。で、早い者がちなわけだ。

グリス:はい。

ジアース:なるほど。それは面白い。ドームを借りるよりかは早く済む。

グリス:はい。

ジアース:だが、それは参加者が少ない場合は可能だが、何万となるとすると、グリスはどういうつもりなのだ?

グリス:今回のクイズはゴンザル予選用のクイズ本を売り、その中にある問題を解いてもらうというものです。町のコンビニ、書店で販売します。クイズ本の数は15万冊。1冊10Gとしても、最大150万G儲かります。午前5時にゴンザル州で売り出します。この企画は当日まで参加者には内緒にしておきます。参加者にはネットでメールのコピーが引換券となっています。ですので、参加者以外は買えないということになっています。参加者にはネットで当日公表すると伝えております。

ジアース:わかった。で、クイズ本の問題を全問正解すれば、ゴンザルのクイズ予選の勝ち抜き者なわけだ。

グリス:はい。で、勝ち抜き者は10人にしましょう。で、今回のポイントは回答権は1回のみ。もし、全問正解できなければ、それで終わりということで、何回も同じ人がこれないようになっています。

ジアース:で、何問あるのだ?

グリス:100問です。しかも、記述式。

ジアース:グリスよ。参加者の公表はネットではなくテレビにした方がいいのではないか。

グリス:え、確かにそうですね。テレビ局を会場にするのはいい案です。

ジアース:朝5時に公表し、解答者はテレビ局へ行くということだな。

グリス:そうです。もちろんテレビでの公表はジアース様にやってもらいます。

ジアース:わかった。しかし、何か落とし穴があるような気がする。

グリス:はい。しかし、まだ、時間がありますので、お互い考えましょう。

ジアース:わかった。その日は私は1日中テレビなわけだな。

グリス:そうです。ですが、早い段階で予選通過者は決まると思います。

ジアース:わかった。が、これは各コンビニや書店にならべるのは無理がある気がする。

グリス:駄目ですか?

ジアース:この企画は人を使っているから、情報は必ず漏れると言っても過言ではない。

グリス:そうですか。

ジアース:しかし、クイズはネットで出せばいいのではないか?で、その100問を解くために15万人はあらゆる手段を使って答えることになる。そのクイズの内容で収入を入れてはどうだ?

グリス:なるほど。わかりました。それはいい案ですね。そうしましょう。では、これからクイズを100問作ることにします。

ジアース:グリスよ。楽しそうだな。

グリス:もちろんです。こんな楽しい仕事はありません。歓喜祭は今年だけでなく来年も行なうべきです。

ジアース:そうだな。考えてみよう。では、今日の打ち合わせはこんなものか。

グリス:はい。では、失礼します。

 と、グリスとの話し合いは終わった。

ミュウ:しかし、私が思うに、ジアースはすぐいろいろ決めるよね。正直凄いよ。

ジアース:そうでなければ、この任務は務まらん。

ミュウ:で、ミス・ローレンシアコンテストの知力テストは1000問にしたよ。

ジアース:1000問かあ。で、それは何時間で?

ミュウ:1000問で5時間ね。

ジアース:で、テストは選択問題?

ミュウ:うん。で、その5時間の間はどんな手段を使ってもO.K.よ。

ジアース:ミュウもよくやるなあ。

ミュウ:だけど、5時間で1000問ということは、1時間で200問で、1問は18秒で解かないと間に合わないよ。正直、調べている時間は無い気がするけど。調べてもO.K.よ。

ジアース:それは告知は済んだの?

ミュウ:うん。

ジアース:しかし、テストの範囲は無いの?

ミュウ:なし。

ジアース:容赦ないなあ。

ミュウ:だって、ローレンシア王国は実力主義でもあるのよ。実力の無いものは名誉や地位をもらえる資格はないよ。だけど、その代わり、実力は正統に認めるのがローレンシア王国よ。だから、シンもそういうことになってるの。

ジアース:そう考えると、サハリンは凄いんだなあ。

ミュウ:そうよ。サハリンをなめてはいけないよ。初代ミス・ローレンシアだからね。

ジアース:ひえー。・・・・・・。で、話は変わるけど、主張大会の論文はたいしたものだ。

ミュウ:そうよ。みんな頭をかかえているのよ。どの論文も甲乙つけ難いって。

ジアース:あとは、コンサートはどう?

ミュウ:もうすぐチケットは売り切れよ。

ジアース:オーディションの応募はいつまでっだ?

ミュウ:明日が締め切りよ。

ジアース:そうか。チケットは全部で何枚売る予定なんだ?

ミュウ:210万枚。

ジアース:凄い数だなあ。で、210万人から宝くじが当たるわけだ。

ミュウ:でも売り上げはS席とA席とB席に分かれていて、S席は100G、A席は50G、B席は30Gよ。で、宝くじはどの席も番号は1つ。当たりは1枚だけよ。宝くじの当たりは1万G1名で、2等はアーティストのCD5名、3等は博覧会の入場チケットよ。

ジアース:そうか。あとは動物園が通常通りとは面白くないなあ。だが、担当はグリスだからなあ。グリスは相当忙しいからなあ。

ミュウ:連絡してみては。

ジアース:グリスが動物園に対して何か手を打っているとは思えないが聞いてみるか。

 と、ジアースはグリスに携帯で連絡した。

ジアース:グリスよ。措置はクイズ大会の他に、動物園とマジックショーがある。動物園がいつも通りでは何か面白くないと思うが。

グリス:確かに、動物園内では、動物によるショーも考えています。イルカの演技や、ライオンによる火の輪くぐり、象の玉乗りとか。ってほぼ動物のサーカスといったところですか。

ジアース:おお。それは面白い。それは動物園の人が歓喜祭用にやるというのか。

グリス:はい。ですので、私のヤル出番はありません。

ジアース:では最後のマジックショーはどうだ。

グリス:部下がマジックショーを仕切る形になります。部下に任せようと思っています。

ジアース:そうか。一つの案だが、マジックショーの会場でマジック用品を売ってはどうだ。あと、マジックのネタ本も売ると絶対売れると思うが。

グリス:わかりました。それはいいアイデアですね。そうします。

ジアース:では、後は問題はない。後はよろしく頼む。

 と、電話での話は終わった。

 その後、ジアースは主張大会の論文を読んで、夜になった。



サハリンが帰ってきた。

ジアース:サハリン。実はガイ様から食事の誘いをうけた。俺は行くが、ミュウとサハリンもいくか?

ミュウ:私もいく。

サハリン:私も。

 と、王宮の食堂で、ガイに呼ばれた者は集まった。ガイに呼ばれたのはノルワーはもちろん、ジアース、ミュウ、サハリン、シン、ミミ、である。

ガイ:皆の者。今日は他でもない。楽しく食事をしようではないか。

ミュウ:そうよね。

ガイ:で、昨日の○×クイズはややれたよ。空間は波ということはよくわからないが、つまり、ワープをすれば距離は関係ないか。確かに「答えは単純」だったよな。

ジアース:ガイ様。クイズ大会を盛り上げてくださった件はありがとうございます。

ガイ:なんだ?ジアースらしくない。

ジアース:で、今回の歓喜祭はどう思っていますか?

ノルワー:いい線いってると思うが・・・・・・・。

ジアース:ノルワー。どういうことで。

ノルワー:いや、歓喜祭にイベントが集まり過ぎるのではないかと思ってな。

シン:それは私も思っています。

ジアース:確かにそうですな。ですが、これをきっかけにするには、あらゆるジャンルで試してみたいと思うている。その点については皆はどう思う?

ミュウ:確かに、やらないとわかんないよね。

シン:ただ、この歓喜祭のものを歓喜祭で終わらせるのはもったいないです。

ジアース:そうなんだ、そこが大事だが、それはおいおいと考えていく。

ガイ:だが、ジアースよ。俺にできることがあれば、どんどん言ってくれ。

ジアース:もちろんです。

ノルワー:私にも言ってくれ。

ジアース:もちろん。

ノルワー:だが、私はインターナショナルマーケットのことが心配だ。

シン:ノルワー様。我々情報企画部門でもインターナショナルマーケットも進めていきますので、ご心配なく。

ジアース:そうだな。

 と、雑談が和やかに進んだ。そして・・・・・・・。

カイザー:シンよ。この国はいいだろう。

シン:はい。

カイザー:私が長年かけて築いてきたものの一部だがな。だが、正直、ジアースが加わってから一変して、このローレンシア王国から不満の声が相当減った。正直、ジアースのような才能は私にはないが、これでも一生懸命やってきたつもりだ。

ジアース:みんな、それぞれの立場で苦労しているはずです。たまには労わないといけないな。

ミュウ:じゃあ、歓喜祭後の打ち上げは盛大にしないと。

ジアース:ミュウよ。まだ、気が早いよ。歓喜祭はこれからが本番だ。

サハリン:そろそろ寝ないと駄目なんじゃない?

ノルワー:そうだな。この辺で今日は切り上げだ。

ジアース:ガイ様。呼んでいただいてありがとうございました。

 と、ジアースとミュウとシンとミミは帰った。だが、サハリンは残った。

ガイ:サハリン。どうした?

サハリン:ガイ様。私、ガイ様のことをもっと知りたいです。

ガイ:そうか。では、ここで話そうか。

ノルワー:では、私はこれで。

 と、ガイとサハリンの心の距離が縮まっていった。

 一方、ジアースとミュウは話をしていた。

ミュウ:ジアース。ついにサハリンを手放したね。

ジアース:そうだね。

ミュウ:でも、今のジアースは前のジアースとは違うから当然だね。

ジアース:ミュウ。今の俺と前の俺とどっちが好きなんだ?

ミュウ:今。

ジアース:ありがとう。

 と、ミュウとジアースはしばらく抱き合っていた。この日、サハリンは帰ってこなかった。







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